日本経団連の日本トルコ経済委員会(梅田貞夫委員長)は10月28日、東京・大手町の経団連会館で、トルコ海外経済評議会(DEIK)トルコ日本経済委員会(トゥンジャイ・オズィルハン委員長)とともに、第17回日本トルコ合同経済委員会を開催した。約5年ぶりに日本での開催となった今回は、日本政府から松下忠洋経済産業副大臣、トルコ政府からエルトゥールル・ギュナイ文化・観光大臣を来賓に迎え、日ト経済界から約110名が参加した。
まず、開会セッションであいさつした梅田委員長は、世界経済の金融経済危機からの自律的な回復には時間を要するものの、各企業がグローバル戦略の再構築に取り組む今こそ、両国の協力強化の方途を模索する必要があると強調した。
これに対し、オズィルハン委員長は、自動車産業をはじめ、これまで日本企業がトルコに進出し、製品製造に関するノウハウを提供することにより、トルコ経済の発展に貢献してきたことを評価。今後は研究開発等の分野でも、日本企業の対トルコ投資を歓迎すると述べた。
来賓の松下経済産業副大臣は、豊富な若い労働力、欧州・アジアの結節点といった優位性を有するトルコのさらなる経済発展に期待を表明。鳩山政権下でも日本にとってトルコの重要性は不変であるとし、今後も両国の友好関係を一層深めていくとの考えを示した。
続いてあいさつしたギュナイ文化・観光大臣は、日本の経済発展と技術力は高度な文明と脈々と継承される伝統に根差しており、世界からの評価も高いと指摘したうえで、文化的類似性を有する両国の発展の潜在力に鑑みれば、二国間経済関係の拡大と深化を期待できるとし、現状に安住せずに協力を推進するよう参加者に呼びかけた。また、軍艦エルトゥールル号の訪日と遭難から120年目に当たる来年に開催される「2010年トルコにおける日本年」に触れ、特に観光分野での日ト交流の拡大に向け、日本人観光客の誘致に強い意欲を示した。
その後のセッションでは、両国の経済情勢の現状と見通しについて意見交換を行った。特に、トルコ側からは、鳩山政権下の経済政策について、関心が示された。
また、自動車、ICT(情報通信技術)、電機・電子、製薬、建設・インフラ、観光等、今後両国間の協力拡大が期待できる分野について議論を深めた。
さらに、トルコが近年数々の国境横断的なパイプライン敷設プロジェクトに関与し、国際的なエネルギー回廊戦略を積極的に推進していることが紹介されたほか、トルコ企業の周辺巨大市場での豊富なビジネス経験に注目し、第三国における日本企業との協業の可能性に期待する声が多く聞かれた。