日本経団連は11日、提言「鳥由来の新型インフルエンザ対策の再開・強化を求める」を公表した。概要は次のとおり。
今年4月に豚由来の新型インフルエンザ(H1N1型)がメキシコで発生。弱毒性ではあるものの、今秋以降、第2波流行期に入り、感染者は増加の一途をたどっている。これに対して、政府・自治体はさまざまな対策を打ち出しているが、不確定要素も多く、試行錯誤が続いており、医療や教育の現場に少なからず混乱が生じている。
他方、その脅威について、医療関係者を中心に強い危惧が示されている鳥由来の新型インフルエンザ(H5N1型・強毒性)が発生した場合は、今回以上に人命や社会生活に甚大な被害を与えるおそれがある。そのため、国家の危機管理として、より一層、取り組みを強化する必要がある。対応戦略としては、感染拡大を可能な限り抑制・平坦化し、健康被害を最小限にとどめ、社会・経済を破綻に至らせないことが肝要であり、そのための事前準備が欠かせない。
しかし、当面する対応のため、鳥由来の新型インフルエンザ対策に一部中断や遅れが生じている。そこで、今回得られた知見や教訓を踏まえ、政府に対して、以下の5点について、早期対応を求めた。