日本経団連タイムス No.2970 (2009年10月15日)

ホアン・ベトナム商工相との懇談会を開催

−御手洗会長、日越EPA発効祝し、さらなる関係発展を期待



ホアン商工相との懇談会であいさつする御手洗会長

日本経団連は1日、東京・大手町の経団連会館で、日越EPA第1回合同委員会に出席するため来日したベトナム社会主義共和国のヴー・フイ・ホアン商工大臣を迎えて、昼食懇談会を開催した。懇談会では、御手洗冨士夫会長をはじめとする日本経団連の首脳が出席し、日越EPAへの期待や、EPA発効を踏まえた日越経済関係の展望などについて意見交換を行い、EPA発効が両国経済関係を一層発展させるとの認識で一致した。

EPA発効は日越経済関係の発展に貢献

御手洗会長は、冒頭の歓迎あいさつで、EPA発効を歓迎するとともに、日越経済関係はこれまでも日越投資協定や「日越共同イニシアティブ」によって順調に拡大してきたが、EPAの発効による一層の発展を期待すると述べた。日越EPAには、特に関税の引き下げや撤廃、知的財産権保護の強化、サービス貿易の自由化などが盛り込まれており、これらの分野における進展に期待を表明した。

一方、ホアン大臣は、日本はベトナムにとって第2位の貿易相手国であり、投資(累積実行額ベース)、ODAの供与額は最大であるなど、EPA締結のための条件が揃っていたと指摘した。こうした中でEPAが発効したことで、貿易・投資をはじめとする両国の協力関係の一層の発展は間違いないと述べた。他方、日越EPA発効後、進展が期待される分野として、(1)看護士・介護福祉士の受け入れ(2)裾野産業の育成――を挙げた。特に、裾野産業の育成は商工省が関心を有する分野であり、日越間の官民対話の枠組みである日越共同イニシアティブの中でも積極的に取り上げていきたいと述べた。

日越共同イニシアティブの役割を評価

続く懇談において、御手洗会長は、EPA発効後も日本の技術協力や投資が拡大し、ベトナムを含む東アジア諸国のインフラ整備や環境・資源問題の解決に貢献するためには、各国による投資環境の整備が重要であると指摘した。

また、加藤進日本ベトナム経済委員長から、日越共同イニシアティブについて、今秋に第3フェーズの中間評価を予定しているとの報告があった。あわせて、行動計画策定後に判明した投資・ビジネス環境に関する諸課題の改善について、ホアン大臣の理解を求めた。また、ベトナム政府がまちづくりに係る中長期的なマスタープランを策定し、企業の技術を活用して実現にこぎつけられれば喜ばしいとの意見があった。

ホアン大臣は、日本側の意見に謝意を示すとともに、これまでの日越共同イニシアティブの役割を高く評価した。

【国際協力本部】
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