日本経団連タイムス No.2958 (2009年7月9日)

ISO26000などで意見交換

−企業行動委員会社会的責任経営部会


日本経団連は6月30日、東京・大手町の経団連会館で企業行動委員会社会的責任経営部会(鍛治舍巧部会長)を開催した。当日は、ISO(国際標準化機構)で策定中の社会的責任規格ISO26000の進捗状況、社会的責任に関する円卓会議の模様ならびに日本経団連会員に対するCSRアンケートの取りまとめについて意見交換した。

■ ISOのSRに関するワーキング・グループ・第7回ケベック総会の概要

5月18日から22日にかけてカナダのケベックで、ISOのSR(社会的責任)に関するワーキング・グループの第7回総会が開催された。2004年から始まったISOにおける社会的責任の国際規格(ISO26000)の策定作業は、10年9月の発行に向けて、その内容が固まってきている。今年3月に行われたISO26000の委員会原案(CD)への投票において、3分の2以上の国が賛成したため、ケベック総会における議論を踏まえ、次の国際規格案(DIS)に移行することが予定されている。

当日は、総会に参加した損害保険ジャパンの関正雄CSR・環境推進室長とソニーの冨田秀実CSR部統括部長の説明を聴いた。両氏によると、今回の総会では委員会原案(CD)の主要論点を中心に議論し、結果として、おおむね産業界として受け入れられる方向で収拾、国際規格案(DIS)策定に向けて大きく進展した。ただし、民間の社会的責任のイニシアチブを掲載した付属文書の取り扱いについて、中国やインド等から反対意見が表明されたことから、その処理が課題として残った。

■ 「安全・安心で持続可能な未来に向けた社会的責任に関する円卓会議」における検討状況

円卓会議は、事業者団体、消費者団体、労働組合、金融セクター、NPO/NGO、行政等の多様な主体が対等な立場で参加し、政府だけでは解決できない課題に協働して取り組むための枠組みとして、今年3月に発足した。同会議には、各ステークホルダーが自ら選出した代表者が参加し、2010年を目途に、わが国がめざすべき社会像、各ステークホルダーの取り組み、政府への政策提言を含む「安全・安心で持続可能な未来への協働戦略」を策定すべく作業を進めている。日本経団連からは、円卓会議総会委員として、渡文明副会長、総合戦略部会委員として鍛治舍部会長が参加している。

■ CSRアンケート調査結果(中間報告)

アンケート調査は、会員企業によるCSRへの取り組みの実態・動向を明らかにし、会員企業の参考に供するとともに、社会の理解促進を図ることを目的に、今年5月から6月にかけて実施された。当日は、回答のあった413社のアンケート調査の中間報告を行った。同調査結果は9月の理事会で公表を予定している。

【政治社会本部】
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