日本経団連タイムス No.2957 (2009年7月2日)

「キャリアデザインの方法」をテーマに学ぶ

−日本経団連グリーンフォーラム6月講座を開催/参加者でディスカッションも



「キャリアデザインの方法」をテーマに学んだ
日本経団連グリーンフォーラム6月講座

日本経団連事業サービスは6月19日、東京・大手町の経団連会館で、日本経団連グリーンフォーラムの月例講座を開催した。6月講座では、リクルートワークス研究所の大久保幸夫所長(同フォーラム・アドバイザー)を講師に「キャリアデザインの方法」について学び、併せて参加者間でのディスカッションを行った。

冒頭、アドバイザーとしてのあいさつで大久保氏は、参加者に対し、「講座開催に先立って配布される課題図書は、著者との対話をする感覚でじっくりと読んできてほしい」とアドバイス。また、異なる企業において似た立場にある人同士の意見交換が学びの効果を高めるとし、主体的な学習を促した。

当日のテーマに関しては、まず、キャリアデザインが必要とされるようになった背景について、(1)職務における知識・技術の高度化に伴い、各分野にプロフェッショナルが求められる中、計画的な人材育成が必要になっていること(2)多くの企業において、20〜30代には標準的な人材育成のパターンがあるものの、40代以降のキャリア形成はより個別的になってきており、個々人が自らのキャリアについて考える必要があること――を挙げた。また、キャリアデザインは常に考えるべきものではないが、職務上の責任が増したときなど、節目にしっかりと考えておくことが重要であり、ミドル期はその意味で適していることを強調した。

キャリアの柱となる専門性については、自らの(1)能力・才能(2)価値観(3)やりたい仕事――の3つの条件を満たすものを見極め、その道を究めていくことの重要性を指摘した。

また、ビジネスパーソンの発達モデルとして「筏下り型」から「山登り型」への切り替えについて言及。具体的には、若い時には当面の仕事の目標に全力で取り組み、得た経験や人との出会いから自分の適性を見いだしていく「筏下り型」が有効であるが、そのパターンを続けているだけでは、成長が停滞してしまう。そこで、自分の専門を一つに絞ってめざすべき頂(=専門性)を決め、自らのエネルギーを集中させていく「山登り型」に変えていく必要があり、30代半ばから40代前半が適した時期であると説明した。

講座の後半では、プロとしての生き方を中心に講義が行われ、経営者も経営を担うビジネスリーダーとしてプロの一つと考えられることや、真のプロとは「専門性」と「リーダーシップ」を併せ持つ人であること等を指摘し、参加者に対しても、自らのキャリアの振り返りと今後のあり方についての再考を促した。

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日本経団連グリーンフォーラムは、企業の中核となる社員の育成を望む会員企業の声に応えて、2006年度にスタートしたもの。「プロフェッショナルのコアスキルを学ぶ」を総合テーマに、リーダーシップからプロジェクトマネジメントまで、各界の第一線で活躍する実務家・専門家を講師に迎え、組織や部門をリードできる人材の育成をめざす。

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