日本経団連タイムス No.2946 (2009年4月9日)

経済広報センターが標語「道州制と私たちの暮らし」受賞者表彰式

−御手洗会長、入賞標語を積極的活用/さらなる広報活動強調


経済広報センター(御手洗冨士夫会長)は2日、東京・大手町の経団連会館で、「道州制と私たちの暮らし」をテーマに公募した標語の受賞者表彰式を開催した。

道州制に関する標語募集の期間は昨年8月18日から11月18日で、応募総数は2233作品。1月30日に、選考委員会(選考委員=読売新聞東京本社編集委員・青山彰久氏、パナソニック専務取締役・桂靖雄氏、都市生活研究所社長・篠崎由紀子氏、関西学院大学教授・林宜嗣氏、経済広報センター事務局長・田中秀明氏)を開き、2月26日に入選した16作品(最優秀賞1点、優秀賞3点、入賞10点、選考委員特別賞2点)を発表した(3月5日号既報)。

表彰式には、最優秀賞を受賞した芹澤知子さん(受賞作品=「道州制 地域の違いを 魅力に変える」)、優秀賞を受賞した高橋敏雄さん(同=「道州制 ひろがるきずな 競う夢」)、吉次翼さん(同=「地域で決める、地域のみらい みんなで決める、日本のみらい」)、鍛田恵美子さん(代理)(同=「この国を 世界につなげるその一歩 仕組みを変えるぞ 道州制」)の4氏が出席した。

冒頭、主催者を代表してあいさつした御手洗会長は、「今、世界的な金融危機の影響を受けて、わが国を取り巻く環境は極めて厳しい状況にある。加えて、少子化・高齢化が進行する中で、深刻な財政赤字や社会保障制度への不振がいまだに払拭されていない。この不透明な状況を克服し、閉塞感を打ち破るためには、国民一人ひとりが未来への希望を持つことができるように、国のかたちを根本からつくり変えていく必要がある。そのカギとして位置付けられるのが、まさに道州制の導入である」と指摘。その上で、「道州制は、わが国の政治、行政のみならず、国民生活までを大きく変革するものであるが、地域が自らの創意工夫によって真の地方自治を実現し、広域的な経済圏を確立するための制度であり、国民が生き生きと活動できる社会が実現する。今後、経済広報センター、日本経団連としては、入賞した標語を積極的に活用し、道州制のさらなる広報活動に努めていく」と述べた。

今回の選考について事務局から説明があった後、受賞者4氏に表彰状、目録が授与された。続いて受賞者一人ひとりがあいさつ。この中で、最優秀賞を受賞した芹澤さんは、「道州制に興味を持ったのは、ヨーロッパのようになるという一文を見たとき。国一つ一つは小さいかもしれないが、みな強い個性を持っていて、魅力があって、競い合っていて世界的にも影響力があるといった姿を見て、これと同じような(効果をもたらす)道州制が日本に取り入れられたら、そういった未来が見えてくるのではないかということで、標語を考えた。道州制についてはいろいろな考え方、意見があるのかもしれないが、当初の意義、素敵な未来ということを見失うことなく、よりよい日本の姿を考えられる一人でありたい」と語った。

表彰式ではこの後、選考委員の一人である都市生活研究所社長の篠崎由紀子氏が「道州制推進と経済人の役割〜新しい国のかたちの創造にむけて」と題し、記念講演を行った。

経済広報センターでは今後入選作品について、同センター、また日本経団連の各種イベントなどにおいて、随時使用する予定である。

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