日本経団連の経済政策委員会統計部会(佐々木常夫部会長)は3月19日、総務省の川崎茂統計局長、中田睦政策統括官(統計基準担当)から、「公的統計の整備に関する基本的な計画」および「センサスを中心とした統計整備の推進」について説明を聴いた。
まず、中田政策統括官は、「平成19年に制定された新統計法に基づき、政府全体として総合的・計画的な統計整備を推進するため、3月13日に『公的統計の整備に関する基本的な計画』が閣議決定された」と述べた上で、基本計画の主なポイントとして、(1)統計の体系的整備(2)経済・社会の環境変化への対応(3)統計データの有効活用の推進(4)効率的な統計作成――の4点を挙げた。
続いて、川崎統計局長は、「センサスとは、人口、経済に関する基本的かつ網羅的な統計調査であり、統計体系の根幹を成すもの」と述べた上で、今後実施予定の経済センサスと国勢調査について説明した。まず、経済センサスについては、わが国における全事業所・企業の活動状況を把握する調査として、「本年7月、経済センサス―基礎調査を実施し、事業所の所在地、産業分類、従業者数の把握を行う。その結果に基づき、平成24年2月には売上高、必要経費などの経理項目を調査する経済センサス―活動調査を行う予定である。これにより、GDPをはじめとする各種経済指標の精度向上や産業振興施策等の的確な推進が期待される」と説明した。同調査は、支社に関する調査事項を本社で一括して記入する方法で実施され、「本社における記入負担軽減の観点から、電子媒体による回答も可能とする。多くの大企業には、5月中旬に郵送により依頼を送付する」と付け加えた。
次に、平成22年国勢調査の方向性に関して、「オートロックマンションの増加や個人情報保護の意識の高まりなどに対応して、従前の調査員による調査方法だけでなく、郵送による調査票の回収も併用する計画である」と説明した。また、正確かつ円滑な調査を実施するために、「調査に関係する団体等と意見交換を重ねてきており、本年10月には国勢調査協力者会議(仮称)を立ち上げるので経済界にも協力をお願いしたい」との要請があった。
その後の意見交換では、日本経団連側から、「各省の統計分野における人員不足の問題については、省庁横断的に調整する必要がある」「専門知識を持たない一般ユーザーにとっても利用しやすいような統計の整備を心がけるべき」といった意見が出された。