日本経団連は19日、2007年度福利厚生費調査(第52回)の集計結果を公表した。概要は次のとおり。
07年度における企業の福利厚生費負担額は、従業員1人1カ月当たり10万3934円(全産業平均)、前年度比で0.8%減少した。福利厚生費のうち、社会保険料等の企業拠出分である「法定福利費」は7万5936円、企業が任意に行う福祉施策に要する費用である「法定外福利費」は2万7998円となり、前年度比でそれぞれ0.7%、1.2%減少した。
現金給与総額は、58万6008円、前年度比0.3%の減少である。
法定福利費の減少の要因は、現金給与総額の減少に加え、社会保険・労働保険の各料率変更に伴う全体としての引き下げに対応したものである。
しかし、厚生年金保険料は17年まで毎年引き上げられるなど、法定福利費が増加傾向にあることは変わらず、退職金も含めた総額人件費の観点からは重要な要素であることに変わりがない。
法定外福利費を大項目でみると、すべての項目で前年度からマイナスとなった。
「住宅関連」は1万3473円、前年度比0.2%の減少となった。住宅関連費用は、法定外福利費の中で最も額の大きい項目であるが、法定外福利費全体に占める割合は2年連続で50%を割っている。「ライフサポート」は、6294円、前年度比で0.1%の減少となった。小項目でみると、増加した項目のうち「ファミリーサポート」「育児関連」については、02年度より急増し、5年間でそれぞれ約2.5倍、約3倍の額となるなど顕著な伸びを示している。
「文化・体育・レクレーション」は2223円、前年度比で0.8%の減少となった。そのうち「施設・運営」が1174円となったのに対し、「活動への補助」は、1049円となり、両者の金額は近年接近する傾向がみられる。
また、法定外福利費について参考として、カフェテリアプランについて調査を実施した。カフェテリアプランとは、福利厚生運営手法の一つで、従業員に一定の福利厚生利用枠と給付の選択肢を与え、従業員が個々の必要性に応じて給付を選択する仕組みである。消化ポイント総額は、利用枠のうち、実際に利用された部分を円換算したものであり、法定外福利費の中から特別集計した。07年度のカフェテリアプランの導入企業は74社、導入企業割合は11.1%といずれも過去最高となった。1人1カ月当たりの消化ポイント総額は4269円と、はじめて4千円台となった。
日本経団連福利厚生費調査は、1955年度から毎年実施し、今回で52回目。半世紀以上にわたる企業の福利厚生費の動向を把握できる日本において唯一、毎年実施している福利厚生費の調査である。同調査は、福利厚生費の各項目について企業の年間負担総額を年間延べ従業員数で除した1人1カ月当たりの平均値(加重平均)を算出したものである。有効回答企業数は668社。