日本経団連タイムス No.2934 (2009年1月15日)

御手洗会長記者会見

−内閣支持率や春季労使交渉などで見解


日本経団連の御手洗冨士夫会長は13日、東京・大手町の経団連会館で会長・副会長会議後に記者会見を行った。

内閣支持率について問われた御手洗会長は、第2次補正予算案や平成21年度予算案、関連法案が成立し、景気対策の効果を国民が実感し始めれば、支持率も変わってくるだろうと語った。

春季労使交渉については、雇用の安定が主なテーマになるとの認識を示した上で、雇用の安定は労使共通の課題、一体となって取り組んでいきたいと語った。ワークシェアリングについては、「一つの選択肢であろうが、決まった方法はないし、個別企業で実情も異なる。個別労使で決めること」と指摘。ベアについては、産業界全体が減収・減益傾向にある中、応じられる企業は極めて少ないだろうとの見解を示した。

株価・為替については、「米国の雇用統計の悪化、企業業績の悪化が米国株式市場に影響し、日本でも株価が下がるとともに、米国の景気悪化に伴うドル安により、円高が進んだ。円の独歩高は日本経済にとって良いことではない」と指摘。こうした状況が続くのであれば、各国に呼びかけて、為替介入してほしいと述べた。

また、東アジア経済圏に関して、世界同時不況の中、保護主義に陥ることなく自由貿易体制を堅持すべきと強調。「先の訪韓でも、両国首脳に対し、WTO新ラウンド交渉の早期妥結や日韓を含む東アジアEPAネットワークの構築に向け、リーダーシップを発揮するよう要請した」と述べた上で、「アジアのポテンシャルは大きく、世界経済の安定と発展に寄与できる。将来的にはASEAN+6など東アジア経済圏の実現が重要」と述べた。

【社会第一本部広報担当】
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