日本経団連タイムス No.2930 (2008年11月27日)

横浜市と日本経団連が出前授業等で連携

−来年度、市内数校を対象に/教育と企業の連携推進ワーキング・グループ


今年3月に学習指導要領が改訂され、キャリア教育、ものづくり教育、環境教育、情報教育などが盛り込まれた。これにより、新学習指導要領が実施される2011年度に向けて、学校から企業に多数の協力要請が寄せられる可能性がある。

こうした中、日本経団連は、昨年5月に発表した「教育と企業の連携推進に向けて(教育と企業の連携推進ワーキング・グループ中間とりまとめ)」のフォローアップとして、企業の教育連携事業の実施に向けて取り組んできた。その一環として、今年度は横浜市教育委員会(以下、市教委)との間で連携の実施に向けた調整を続けてきた。

10月には市教委から、横浜市内の小中学校で日本経団連会員企業が出前授業を実施する枠組みをつくれないか、との意向が示された。

そこで、日本経団連は18日、東京・大手町の経団連会館で企業と教育の連携推進ワーキング・グループ(小西ゆかり座長)の会合を開催し、市教委事務局教育センターの齋藤紀子研究研修指導課長と同事務局学校教育部の久保田節子小中学校教育課首席指導主事を招き意見交換した。

■ 2009年度に連携授業を市内数校で試験的に実施

市教委は、日本経団連との連携により、中立性の担保や、出前授業等の組織的・継続的な実施、教育機会の拡大などが可能になると期待している。
一方、日本経団連と会員企業にとっては、(1)特定の企業・時期に偏りがちな学校の要請を前広に調整できる(2)学校の注文に応じて企業の学校支援プログラムを組織的に改善できる(3)11年度の新学習指導要領本格実施に伴い他の自治体からも同様の要請が増えることが予想される中で事前に十分に試行できる――といった利点が考えられる。
以上から、日本経団連と市教委は、来年度に、市内数校を対象に、試験的に会員企業が出前授業を実施していくことで大筋合意した。

■ 連携事業への参加・協力のお願い

来年度に向けて、市教委は、モデル校を選定するとともに、学校が受け入れやすいように企業の教育支援プログラムの改善点について教員の視点から評価する。それを受けて、日本経団連は協力企業にプログラムの見直しのお願いをするとともに、協力企業の数を増やしていく。会員企業各位には、横浜市との連携事業への積極的な参加・協力をお願いしたい。
※本件連絡先e‐メール=edu@keidanren.or.jp

【社会第一本部教育問題担当】
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