日本経団連タイムス No.2930 (2008年11月27日)

御手洗会長記者会見


日本経団連の御手洗冨士夫会長は25日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

赤字国債の発行について問われた御手洗会長は、「厳しい経済情勢を受け、相当の税収の落ち込みが予想される中、経済対策の実行により景気を下支えすることが至上命題となっている」と指摘。こうした観点から、第二次補正予算における赤字国債の発行もやむを得ないとの認識を示した。その上で、「財政健全化という政府の方針が変わったとは思わない」と述べ、プライマリー・バランスの黒字化目標についても、達成に向け、あらゆる努力をしていくべきであると主張した。

また、省エネ製品への買い換え促進税制について、「来年度税制改正においては、省エネ住宅への税制支援措置などが議論されているが、住宅のみならず、自動車や家電製品などについても、省エネ製品への買い換え促進税制を検討すべき」と指摘。「これらの措置は、CO2の排出削減が課題となっている民生・運輸部門の取り組みに資するとともに、内需喚起にも結び付く。経済と環境の両立が期待できる税制である」と語った。

さらに、WTO交渉について御手洗会長は、「先のG20サミットを踏まえ、APEC首脳会議において、WTOの年内大枠合意へのコミットメントがなされたことを評価する。世界経済が減速する中で、保護主義に陥ってはならないという各国の強い意思の表れであり、心強い」と語った上で、ドーハ・ラウンドの妥結は、世界の貿易・投資の拡大や世界経済の活性化に役立つとの認識を示した。

【社会第一本部広報担当】
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