日本経団連タイムス No.2928 (2008年11月13日)

第44回日本経団連洋上研修団が帰国

−「改革の一歩を踏み出す」


第44回日本経団連洋上研修団の一行は10月25日、9日間の日程を終え、横浜港に帰港した。昨年に引き続き、「改革の一歩を踏み出す」を総合テーマとした今回の研修には、全国の企業・団体から管理・監督者231名が参加。職場活性化の条件や新しいリーダー像などを探る中で、参加者は企業の枠を超えて交流を深め合った。

課題研修や講演を中心に/職場活性化の条件など探る

船内研修の中心となったのは課題研修の時間である。課題研修では、全団員を5班に分け、さらに各班を7名から構成される6〜7グループ(1つの班には管理者コースと監督者コースのグループが混在)に分けて、基本的にはグループごとに討議を重ねた。各班には、教育・研修に通じた企業のコーディネーターが付き、討議の方法などを指導した。まず、職場で現在直面している課題をKJ法により洗い出し、討議テーマを設定。次に、そのテーマに関して、外部環境と内部環境の両面から状況分析を行った。さらに、討議テーマの今日的な意義を改めて考え、研修課題を確定した。ここでテーマについて、各グループの代表が班内で発表し、聴講した他グループの班員がフィードバックした。引き続いて、テーマに関して、職場の「あるべき姿」と「いまの姿」の状況分析を行い、職場の解決すべき課題は何か、今後自分たちがどう行動すべきかのアクションプランを短期・中長期の観点からまとめた。最後にグループ代表者が班のメンバーの前で発表を行い、班員の投票で班代表のグループを決め、研修報告会で各班代表の5グループが発表を行った。

課題研修と並んで船内研修の柱になったのが、アドバイザーや講師による講演(マネジメント講座)で、関島康雄アドバイザー、柿内幸夫、本間達哉両講師による5講座や、管理者・監督者に分かれたコース別講座、また岡部弘名誉団長(日本経団連地方団体長会副議長・デンソー相談役)からは「クオリティ経営-リーダーの役割」と題した講話、韓国・釜山では現地の識者による「韓日生活文化比較」の講演を聴いた。

寄港した中国・上海、韓国・釜山では、寄港地研修、オプショナルツアーなどが行われた。上海の寄港地研修では、全団員が上海大金空調有限公司、上海宝鋼集団など5企業・学校に分かれて視察を行った。その後実施されたオプショナルツアーでは、蘇州、杭州、南京訪問の1泊2日ツアー3コースと上海市内の日帰りツアーに分かれて参加した。多くの団員は、高層ビルが立ち並ぶなど、上海が以前とは一変していることを実感したようだった。また釜山では、あいにくの雨の中、慶州や大邱訪問、釜山市内めぐりなどのコースに分かれて、寄港地研修を行った。

最終日には、研修修了式が船内で行われ、鈴木正人団長(日本経団連事業サービス常務理事)から団員一人ひとりに修了証書が授与された。航海は、例年に比べ比較的穏やかで、研修船「ふじ丸」は予定どおり横浜港へ帰港した。

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