日本経団連は、日本商工会議所(日商、岡村正会頭)とともに10月22日、インド工業連盟(CII、K.V.カマート会長)(注1)と、気候変動問題に関する覚書(MOU、Memorandum of Understanding )に署名した。
地球温暖化を防止するためには、インドをはじめとする新興経済国のエネルギー効率の向上・排出抑制が不可欠である。また、これらの国が、ポスト京都議定書の国際枠組みに実質的な義務を負う形で参加することが必要である。そこで、日本経団連では、日商とともに、CIIと覚書を締結し、気候変動問題について政策対話を行うとともに、気候変動・エネルギー分野での協力の検討を推進していくこととした。
覚書の概要は以下のとおり。
日本経団連、日本商工会議所、CIIは、協力的アプローチを通じて、気候変動に関連する協力を促進するとともに、ポスト京都議定書の国際枠組みについて、政策提言を行う。
ポスト京都議定書のための気候変動問題に関する交渉に関する政策提言を取りまとめる。このプロセスは、MOUの合意後速やかに開始され、ポーランドにおけるCOP14は、論点について話し合う機会として活用される。
ポーランドでの政策対話の機会をとらえ、気候変動による悪影響の緩和への貢献と協力の可能性を検討する。
他の気候変動に関するイベントとともに、第18回国際エンジニアリング・テクノロジー・フェア(IETF2009)に対する多くの日本側参加者を確保するために努力する。
上記の活動は、日印エネルギー対話(政府間の対話)(注2)とその5つのワーキング・グループ(エネルギー効率、再生可能エネルギー、電気・電力、石炭、石油・天然ガス)における議論と平仄を合わせて進展する。また、日本、インド両国の公共機関・民間機関と共同して、あるいは支援を受けて行われる。
(注1)インド工業連盟(CII)=112年の歴史を有する製造業を中心とするインドの経済団体。団体も含む会員数は約7000。会長のK.V.カマート氏は、ICICI銀行社長兼最高経営責任者。
(注2)日印エネルギー対話=2006年12月にシン・インド首相の訪日時に安倍首相(当時)との間で、エネルギー分野における協力を包括的な形で促進すべく、設立が合意されたもの。これまでに、07年4月、08年9月の2回開催されており、それぞれ共同声明が取りまとめられている。