日本経団連(御手洗冨士夫会長)の少子化対策委員会(池田守男共同委員長、鈴木茂晴共同委員長)は10月22日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、少子化対策を総括して担当する小渕優子内閣府特命担当大臣から、少子化の現状と今後の対策のあり方について説明を聴くとともに意見交換を行った。
なお、会合に先立ち、小渕大臣と御手洗会長、森田富治郎副会長、池田共同委員長、鈴木共同委員長との懇談が行われ、少子化対策の課題や重要性について改めて確認した。
会合において、小渕大臣はまず、「日本が人口減少局面に入る中、(1)高齢者の活用(2)女性の活用(3)外国人の活用(4)少子化対策および家族政策の充実――の4つの方策により、労働力人口を維持していかなければならない」と指摘。その上で、「女性の労働市場参加を進めるためには、仕事と育児の両立環境の整備が必要であり、保育・子育て支援サービスの充実、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進、経済的支援などの対策が求められているが、わが国における子育て関連予算は諸外国に比して少ない。今後、少子化対策の重要性をアピールし予算拡大を図るためにも、その財源確保に向け、消費税を含めた税制全体の議論が必要であり、国民一人ひとりの少子化対策への意識を高めていきたい」と説明した。また、「女性に対する両立支援だけでなく、男性の働き方の見直しや育児参加も重要である。ワーク・ライフ・バランスの実現に向け、企業トップがリーダーシップをとって取り組んでほしい」と述べた。
引き続き行われた意見交換の中で、鈴木共同委員長から、「日本経団連では、『家族・地域のきずなを再生する国民運動』の一環として11月に設けられた『家族の日』『家族の週間』の機会をとらえ、ワーク・ライフ・バランスの推進をはじめ、国民運動の趣旨にかなう自主的な取り組みを同月に集中的に実施するよう、会員企業・団体に呼びかけているが、『家族の日』などの国民運動の認知度が低いことから、政府においてもしっかり周知に向けて取り組んでほしい」との要望が出され、これに対し、小渕大臣から、経済界の国民運動への協力に対し謝意を表するとともに、政府としても、国民運動について、しっかりと情報発信していくとの回答があった。
また、会合では、「少子化対策委員会の今後の活動について」が諮られ、委員会として少子化対策のあり方について広範な検討を行い、改めて望ましい姿と具体的対策について提言していくことになった。