日本経団連は14日、「大学卒業予定者・大学院修了予定者等の採用選考に関する企業の倫理憲章」(倫理憲章)を発表した。倫理憲章は1997年の就職協定廃止以降、企業に責任と秩序ある採用活動を促すことを目的に毎年策定しているもので、今年で13回目。
今回発表された倫理憲章は、新規学卒者等の採用活動に対して、(1)正常な学校教育と学習環境の確保(2)選考活動早期開始の自粛(3)公平・公正な採用の徹底(4)情報の公開(5)採用内定日の順守(6)高校卒業予定者への配慮――を企業に求めている。
今回の倫理憲章における主な変更点は以下の2点。
(1)表題から「○○年度」という表現を削除し、次年度に限らず採用選考活動の早期化自粛に通年的に取り組むべきであることを明確にした。
(2)これまで使用してきた「採用選考活動」という言葉は、一般的には企業の採用計画の広報や説明会を含む広い意味で使われている一方、「選考活動」は応募者を選抜する活動として使われている実態を踏まえ、「採用選考活動」という表現を「選考活動」に変更し、企業が自粛すべき活動を明確にした。
倫理憲章については今後も、企業の採用選考活動の状況を把握した上で、毎年中身を精査し、必要に応じ見直す。さらに、これまで同様、毎年企業の採用選考活動が本格化する以前の段階(10月頃)に、倫理憲章の周知を行うとともに、『倫理憲章の趣旨実現をめざす共同宣言』への賛同企業を募り、日本経団連ホームページ上で発表する。