日本経団連タイムス No.2921 (2008年9月18日)

規制改革めぐる課題など意見交換

−個別要望への取り組みの重要性指摘/行政改革推進委員会規制改革推進部会


日本経団連の行政改革推進委員会規制改革推進部会(小倉利之部会長)は9日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、内閣府規制改革推進室の吉田正一参事官から規制改革をめぐる現状や、規制改革会議が「第3次答申」を年末に取りまとめる上での検討課題について、説明を聴いて意見交換を行った。

内閣府担当官から

■ 規制改革をめぐる現状

冒頭、吉田参事官は、政府が規制改革に着実に取り組む必要性を指摘。特に、昨今のタクシー、一般医薬品のインターネット販売、決済ビジネス等の分野における規制強化の動きに関連し、改革に向けた意見をタイムリーに発するなど、規制改革会議として適切な対応を図ることが重要だと述べた。また、政府が民間事業者や地方公共団体から規制改革の提案を受け付ける集中受付月間を通じて、個別要望に地道に取り組むことの重要性も指摘。日本経団連が今年6月に提出した要望のうち、「国有地を取得する際の取得代金の納付方法の見直し」や「エレベータに対する定期点検時の検査免除」などを紹介し、実際のビジネスの現場から寄せられる意見が役立っていると述べた。

■ 「第3次答申」の策定に向けて

続いて吉田参事官は、規制改革会議が年末に取りまとめる予定である「第3次答申」に向け、医療、保育、農林水産業、運輸、教育・研究ならびに規制の新設の際の事前評価・チェック機能の強化の6分野を重点分野として検討を進めていると紹介。中でも新設の規制の事前評価・チェック機能の強化については、「経済財政改革の基本方針2008」にも盛り込まれているが、日本では規制の事前評価(RIA)が明らかになるのは、閣議決定等の直前で十分な評価・チェックの時間が確保できない場合が多いと指摘し、効果的な事前チェックの仕組みを構築する方法について検討を進めていると述べた。また、内閣総理大臣の諮問機関である規制改革会議が重要な役割を果たすためには、官邸のバックアップが引き続き必要不可欠である点も指摘した。
続いて行われた意見交換では、出席した委員から「規制強化が行われる危険がある場合には、それぞれの業界が事前に声を上げるべきだ」「日本では、通知・通達等必ずしもオープンとはいえない手法で規制が行われていることが問題だ」との意見や、「(規制改革会議は)OECD等の国際機関や政府部内の他省庁との連携を強めてはどうか」との意見が寄せられた。

■ 「集中受付月間」に寄せられた規制改革要望への対応

なお、同席した岩村有広政策企画調査官からは、「集中受付月間に寄せられた要望の一部は規制改革会議のタスクフォースで検討し、必要に応じて所管省庁の担当課とも折衝する。これらを踏まえ、年末に策定する『答申』や年度末に策定する『3か年計画』に明記する」「今年秋の集中受付月間(通称『もみじ月間』)は10月中旬から11月中旬にかけて実施する予定である」との説明があった。
日本経団連では引き続き、政府の集中受付月間に個別の要望を提出するとともに、規制改革会議等の関係機関と連携して、規制改革の推進を求めていく予定である。

【産業第一本部行革担当】
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