日本経団連の関連組織である日本経団連国際協力センター(NICC、御手洗冨士夫理事長)が、アジア太平洋地域15カ国にアフリカ2カ国を加えた17カ国の経営者団体幹部18人を招聘して実施する「経営者団体職員育成コース」が2日スタートした。
NICCでは、開発途上国を中心とした経営幹部の人材育成ならびに各国経営者団体に対する支援・強化の事業を行い、途上国の自立的な経済発展に資することを設立の趣旨に掲げて国際協力事業に取り組んでおり、経営者団体職員を対象とする育成プログラムは、1998年に第1回を開催。今回の研修は、2005年以来3年ぶり4回目の開催で、アフリカからは初の参加となった。このコースでは、わが国の労使関係・人事労務管理についての理解促進を進めると同時に、参加各国経営者団体の育成強化を図り、ひいては当該国の労使関係の安定、経済発展に寄与することを目的にしており、参加者は経営者団体としての政策提言のあり方、会員サービス向上、健全な財政・運営方法等による経営者団体活動の活性化・強化策を学ぶ。
2日、東京・大手町の経団連会館で行われた開講式では、冒頭、日本経団連の鈴木正人参与が、「滞在中、十分な研修成果を上げ、あわせてわが国の魅力をできるだけ多く感じ取っていただきたい」と歓迎と激励のあいさつを行った。この後、参加者の自己紹介が行われ、「経営者団体事務局組織のあり方に興味がある」「会員へのサービス提供が課題になっており、この点について多くを学びたい」「経営者団体として、政府への働きかけのあり方を学びたい」「効果的なトレーニングのあり方に関心がある」「この機会に、日本以外の国の経験や参加者からも学びたい。そのためにも参加者同士のネットワークを築いて国に持ち帰りたい」など、自らの団体が直面している課題や同研修に対する期待が次々と披露された。
参加者は11日まで日本に滞在、この間、日本経団連の概要や組織、事業活動、委員会活動と政策立案についての講義、日本の労働経済事情のブリーフィング、参加研修員の課題共有のためのプレゼンテーションなどが行われるほか、東京経営者協会、埼玉県経営者協会、兵庫県経営者協会を訪問し、地域のニーズに立脚した独自の活動を展開して会員サービスの向上と組織の拡充に取り組んでいる地方経営者団体の役割についての理解を深める。また、フジノン(埼玉)、川崎重工業車両カンパニー(兵庫)、オムロン京都太陽(京都)を訪れ、各社の人事・労務分野での取り組みや、経営者協会との関係についてもヒアリングを行い、最終日には、研修成果をもとに帰国後1年間のアクションプランを発表することになっている。
なお、参加18団体は次のとおり(国名、アルファベット順)。
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