日本経団連の御手洗冨士夫会長は6月16日、政府が総理官邸で開催した「農商工連携サミット」に出席した。
「農商工連携サミット」とは、地域の重要産業である農林漁業と商工業者との連携を促進し、地域経済の活性化と産業振興を図るための政府の取り組みの一環として、総理をはじめとする関係閣僚と関係団体のトップが一堂に会し、意見交換を行うために開催されたものである。
政府からは福田康夫総理大臣、町村信孝官房長官、若林正俊農林水産大臣、甘利明経済産業大臣が出席し、民間からは農商工関連団体18団体等が出席、日本経団連からは総理の要請を受け、御手洗会長が出席した。
会議では、若林大臣と甘利大臣のあいさつの後、農林水産省と経済産業省が選定した「農商工88選」に選ばれた事業者や出席団体から取り組みについて報告があり、最後に、御手洗会長が日本経団連の考えや取り組みを紹介した。
御手洗会長は、「世界的な食料事情が大変厳しい状況を迎えつつある中、わが国は農業従事者の高齢化や耕作放棄地の増大等、極めて深刻な状態にある一方で、食の安全・安心等からわが国の農業に対する国民の期待・関心も高まっており、この潮目の大きな変化をチャンスとして、農業の構造改革を加速化するとともに、輸出も視野に入れた“攻めの農業”への展開が不可欠である」との考えを示し、経済界としても、わが国における食料の安定確保と地域の活性化という観点から農業界との連携・協力を強力に推進しており、その一環として、社員食堂における地場農産品の活用等の地産地消の推進を、会員企業・団体に呼びかけていることを紹介した。
農商工連携サミットの締めくくりにあたり、福田総理は、「農商工連携が地域の活性化の原動力となることを期待しており、政府としても一体となってその推進に取り組んでいく」と述べ、関係団体に対して農商工連携の推進に引き続き強力なリーダーシップの発揮を要請した。
日本経団連は、食料の安定確保や地域活性化の観点に加え、道州制の導入に向けた地域の自立などの観点からも、わが国農業の構造改革を加速化することが極めて重要であるとの考えており、今後とも会員企業・団体に対し、社員食堂等における地元農産物の積極的活用を含め、農業界との連携・協力の一層の推進への協力を呼びかけていくこととしている。