日本経団連は１３日、「夏季・冬季賞与・一時金調査」の２００７年調査結果 <PDF> を取りまとめ、発表した。今回の調査結果のポイントは、（１）組合員平均の賞与支給額が夏季８２万１８９円（２．５カ月）、冬季８１万４８９９円（２．４カ月）（２）非管理職・管理職別にみた対前年上昇率は、昨年に比べ鈍化したものの、それぞれ夏季・冬季ともに４年連続してプラス（３）「考課査定分」が非管理職では２年連続で３割超、管理職では５年連続で５割超――など。同調査結果の概要は次のとおり。
全集計企業を対象とした組合員の平均賞与支給額は、夏季８２万１８９円（２．５カ月）、冬季８１万４８９９円（２．４カ月）となっている。
非管理職・管理職別にみると、非管理職の平均賞与支給額は、夏季７８万９５３５円（前年同期７９万４０５２円）、冬季７８万３６５６円（同７８万２７６９円）。対前年同期比は、夏季がプラス１．７％（前年プラス４．０％）、冬季がプラス０．９％（同プラス３．８％）となっている。
管理職の平均賞与支給額は、夏季１４８万４６２０円（前年同期１５２万２４９０円）、冬季１４２万７０７５円（同１３８万８７８０円）。対前年同期比は、夏季がプラス１．２％（前年プラス４．０％）、冬季がプラス０．８％（同プラス４．８％）となっている。
賞与支給額（非管理職）を産業別にみると、製造業では夏季８１万２２４１円（前年同期８１万１３７９円）、冬季が８１万７７４７円（同８１万１０５６円）。対前年同期比では夏季がプラス２．７％（前年プラス３．２％）、冬季がプラス０．６％（同プラス２．４％）となっている。
非製造業では、夏季が７６万１６３５円（前年同期７７万１７７３円）、冬季７４万２３４３円（前年同期７４万６９７７円）。対前年同期比では夏季がプラス０．６％（前年プラス５．０％）、冬季がプラス１．３％（同プラス５．５％）となっている。
賞与支給額の配分割合は、非管理職では「定率分」が４９．１％（前年４９．６％）で最も多く、「考課査定分」が３２．５％（同３３．１％）、「定額分」が１６．０％（同１５．４％）と続いている。管理職では、「考課査定分」が５０．４％（前年５１．６％）で最も多く、次いで「定率分」が３０．８％（同３０．４％）、「定額分」が１５．８％（同１５．５％）の順になっている。
非管理職では「定率分」が最も多いものの、「考課査定分」が２年連続で３割を超え、管理職では５年連続して５割を超えた。
賞与・一時金における考課査定の幅をみると、査定幅の最高と最低が同じ場合、非管理職では「１０％以上２０％未満」とする企業が３３．０％で最も多く、「１０％未満」が２５．２％、「２０％以上３０％未満」が２０．９％と続いている。
管理職では「２０％以上３０％未満」とする企業が２８．９％で最も多く、「１０％以上２０％未満」が２６．５％、「１０％未満」が２４．１％となっており、非管理職よりも考課査定の幅が大きい傾向がみられる。
また、「査定幅の最高と最低の幅が異なる場合」では、非管理職の最高幅は「１０％以上２０％未満」（２６．１％）、「２０％以上３０％未満」（１８．３％）、最低幅は「１０％未満」（２３．９％）、「１０％以上２０％未満」（２１．１％）とする企業が多くなっている。
一方、管理職は、最高幅・最低幅ともに、「５０％以上」（最高幅２７．０％、最低幅２５．４％）が最も多くなっている。
賞与総額（原資）の決定方法で、業績連動方式を採用している企業は全産業４０．４％（前年３９．０％）、製造業４２．０％（同４５．６％）、非製造業３８．５％（同３０．５％）となり、製造業では４年連続して４割を超えた。
算定方式別にその内容をみると、「経常利益や営業利益等を基準とする」企業が８２．７％（前年８０．３％）で最も多く、４年連続で８割を占めている。
このほか、「生産高、売上高を基準とする」企業が７．５％（前年９．４％）、「付加価値を基準とする」企業が６．０％（同６．８％）となっている。
「夏季・冬季賞与・一時金調査」は、賞与・一時金の支給実態を把握し、今後の参考にするために毎年行っているもので、賞与・一時金の水準に加え、支給額の配分状況や賞与原資の決定方法など、賞与・一時金制度の実態も調査している。今回の０７年調査は、日本経団連企業会員および東京経営者協会会員会社２０４５社を対象に実施、集計可能な３６３社について集計を行った（有効回答率１７．８％）。