日本経団連タイムス No.2904 (2008年5月15日)

胡錦濤・中国国家主席招き歓迎昼食会

−省エネ・環境保護分野の協力強化など4点を提案/胡錦濤主席


日本経団連(御手洗冨士夫会長)は7日、東京・大手町の経団連会館で中華人民共和国・胡錦濤国家主席の歓迎昼食会を、日本商工会議所(岡村正会頭)、経済同友会(桜井正光代表幹事)、日本貿易会(佐々木幹夫会長)、日中経済協会(張富士夫会長)との共催で開催した。

日中経済関係発展を祈念/御手洗会長が歓迎あいさつ

冒頭の歓迎あいさつで御手洗会長は、「中国の経済成長とともに、日中間の経済関係もめざましく発展している。順調な経済関係に加えて、近年、両国首脳の尽力で、日中関係が大きく改善していることは、わが国経済人として、この上もない喜びである。本日は、胡錦濤国家主席から、変貌する中国の状況と、中国の発展にとって重要と思われる課題に対して、どのように取り組んでいるかについて話を伺い、日中間の経済交流に最大限生かしていきたい。本日の歓迎昼食会を機に、日中両国間の経済関係がさらに発展することを祈念する」と述べた。また、昨年、御手洗会長自らが「日中文化・スポーツ交流年」の実行委員長として両国の草の根交流を進めたことや、日本経団連の重慶市における環境植林プロジェクトをはじめ、日本企業がさまざまな社会貢献活動を中国各地で実施していることを紹介。中国における環境保護意識の高まりに応じて、日本企業の持つエコプロダクツ、技術、ノウハウ、さらに社会貢献を通じて、中国に積極的に貢献できると確信しているとの考えを示した。

続いてあいさつに立った胡主席は、今回の訪日の目的は、日中の相互信頼を増進し、友誼を強化し、協力を深化させ、未来を描いて、日本側と一緒に努力し、日中間の戦略的互恵関係の全面的発展の新局面を切り開くことにあると述べた。その上で、日中の経済界に対し、(1)省エネ・環境保護分野の協力を重点的に強化する(2)中国の西部地域、東北地域、中部地域など地域発展の過程に積極的に参画する(3)大企業におけるハイテク分野のみならず、中小企業も含めて両国の企業協力を強力に推進する(4)日中双方が共同で国際市場に取り組み、国際・地域経済において、Win‐Winの協力を展開するなど地域とグローバル経済での協力を強化する――の4点を提案。胡主席は最後に、「日中経済貿易協力を絶えず拡大・深化することは、両国と両国人民の根本利益に合致するとともに、日中間の戦略的互恵関係を全面的に深化させる必然的要求でもある。日本の経済人が良き伝統を引き続き発揚し、中国側と一緒に努力し、絶えず日中経済貿易協力を前進させ、両国の共同の発展と繁栄、両国人民に幸福をもたらすことを心から希望する」と述べた。

【総務本部、国際第二本部アジア担当】
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