日本経団連の御手洗冨士夫会長は10日、東京・大手町の経団連会館で会長・副会長会議後に記者会見を行った。
会見の冒頭、御手洗会長は、5月28日の定時総会に諮る日本経団連の評議員会議長・副議長人事が内定したことを報告。「どなたも人格・識見に優れ、企業経営や業界活動において卓越した手腕を発揮されていることから、余人をもって代えがたい人物であると判断し、今回、就任をお願いすることとした」と語った。
日銀総裁人事については、総裁・副総裁ともにベストな候補者案であると述べた。その上で、現在、世界の金融・資本市場は不安定な状況にあり、日銀には、これまで以上に各国中央銀行との緊密な連携や迅速な対応が求められていると指摘。候補者が国会のプロセスにのっとり粛々と任命されることを望むと述べるとともに、中央銀行総裁職が空席となるような事態は、国際的な信用の観点からも、絶対にあってはならないと強調した。
また、春季労使交渉については、消費を拡大させるためには、やはり個人の手取りを増やしていくことが重要であると指摘。今次春季労使交渉においては、生産性が恒常的に向上し、支払い余力がある企業については、労働側への配分を厚くすべきとの考えを示した上で、政府においても、あらゆる方策を検討してほしいと語った。