日本経団連タイムス No.2888 (2008年1月10日)

07年1〜6月実施分「昇給、ベースアップ実施状況調査結果」を発表

−賃上げ率1.86%、額5993円/属人的賃金の支給制度、8割強で据え置き


日本経団連が12月27日に発表した、「2007年1〜6月実施分 昇給、ベースアップ実施状況調査結果」 <PDF> によると、(1)賃上げ率は1.86%(昇給分1.76%、ベースアップ分0.10%)(2)ベースアップ実施企業が34.0%となり2年連続増(3)家族手当など属人的賃金の支給制度据え置きが8割超(81.7%)――であることが明らかになった。
同調査結果の概要は次のとおり。

1.賃上げの状況(全産業、組合員平均)

「昇給とベースアップの区別のある企業」(156社)の賃上げ状況をみると、賃上げ額は5993円(昇給分5663円、ベースアップ分330円)、伸び率1.86%(昇給分1.76%、ベースアップ分0.10%)とほぼ横ばいとなっている。また、賃上げ総額に占める昇給額とベースアップ額の割合は、昇給額が94.5%、ベースアップ額が5.5%となっている。
次に、昇給とベースアップに分けて、アップ率の分布状況をみると、昇給率は「1.5〜1.9%」(37.8%)が最も多く、「2.0〜2.4%」(16.3%)、「1.0〜1.4%」(16.3%)と続いている。
一方、ベースアップ率は、「0.1%未満」が72.6%と7割以上を占めている。

2.昇給、ベースアップの実施状況(組合員)

「昇給とベースアップの区別のある企業」(156社)の昇給とベアの実施状況をみると、「昇給・べアともに実施」が34.0%と昨年の24.0%から増加している。一方、「昇給実施・ベアなし」とした企業は60.9%と昨年の75.5%から低下している。

3.属人的賃金項目について

属人的賃金項目について聞いたところ(複数回答)、「家族(扶養)手当」を支給している企業が90.1%で最も多く、次いで「住宅手当」(49.3%)、「別居・単身赴任手当」(19.9%)となっている。
また、今後の賃金制度を考える上で、属人的賃金項目をどのようにとらえるかについては、「据え置く」(81.7%)とする企業が最も多く、「一部廃止・縮小する」が15.9%、「全廃する」が2.4%となっている。

◇◇◇

「昇給、ベースアップ実施状況調査」は、昇給とベースアップの実施状況について総括的な調査を行い、賃金対策のための参考資料とすることを目的に、1953年から毎年実施しているもの。今回の調査では、日本経団連企業会員および東京経営者協会会員会社2060社のうち、353社が回答した(有効回答率17.1%)。回答会社のうち、従業員500人以上の企業が約8割(267社、75.6%)を占めている。
なお、同調査における「昇給」とは、昇格・昇進昇給などベースアップ以外の賃上げ総額である。

【労政第一本部労政担当】
Copyright © Nippon Keidanren