日本経団連の御手洗冨士夫会長は12月25日、東京・大手町の経団連会館で2007年最後となる記者会見を行った。
平成20年度予算案について御手洗会長は、持続的な成長の中で財政健全化を実現するという基本方針に則ったものであるとの認識を示した上で、地方や中小企業に対する目配りもなされており、全体としてメリハリのきいたものになっていると評価した。
また、2011年のプライマリーバランスの黒字化は絶対に達成すべきであると強調。そのためには、増大する社会保障費を賄う安定的な財源の確保が前提となるとの認識を示した。その上で、先の与党税制改正大綱において、消費税率引き上げに向けた道筋が示されたことを踏まえ、歳出・歳入一体改革の具体策について、与野党で議論を深めてほしいと語った。
景気の現状と見通しについては、米国景気の減速や改正建築基準法施行により、景気のテンポは減速していると指摘した上で、世界経済は、アジアをはじめ新興国や資源国に支えられて、5%程度のペースで拡大を続けるだろうと述べ、日本の景気回復は来年半ば以降、力強さを取り戻し、実質成長率は2%程度となるとの見通しを示した。
最後に御手洗会長は、「激動の年であった」と07年を振り返り、経済面では、年初からの原油価格の高騰に加え、サブプライム問題による国際金融資本市場の混乱、国内では、ねじれ国会という近年経験したことのない状況にあることを指摘。今ほど国民本位・国益本位の観点から局面を打開することが求められている時はないと語った。