日本経団連タイムス No.2879 (2007年10月11日)

自民党首脳と懇談

−道州制、温暖化対策など、重要政策課題で意見交換


日本経団連(御手洗冨士夫会長)は5日、都内ホテルにて自由民主党首脳との懇談会を開催した。会合には、自民党側から、伊吹文明幹事長、二階俊博総務会長、谷垣禎一政務調査会長、古賀誠選挙対策委員長ら9名、日本経団連側からは、御手洗会長、西室泰三評議員会議長はじめ16名が出席し、当面の重要政策課題について意見交換を行った。

御手洗会長は開会に当たって、「衆参両院で第一党が異なるという難しい状況だが、国民本位、国益優先の観点から野党と政策を論議し、内外の大きな期待に応えてほしい。政府・与党が一致団結して改革を進め、政治への国民の信頼と日本経済への国際的な信認を高めてほしい」と述べ、日本経団連も最大限の協力を行う意向を示した。

これに対して、自民党の伊吹幹事長は、「野党、特に民主党は参議院で法案を成立させる力を持った。政策を実現するためには、与野党が話し合ってお互いに協力するしかない。衆参の意思が常に違うと、被害を受けるのは国民であり、国際社会である。謙虚に自分の案を示し、話し合いを呼び掛け、国民にその姿を見てもらう。選挙での勝利をめざすと同時に、国民の負託に応えるべく良い政策を実現したい」と述べ、自民党に対する日本経団連の一層の協力を求めた。

その後、自民党の谷垣政調会長が、当面の重要政策課題について説明を行った。この中で谷垣政調会長は、インド洋における海上自衛隊による給油活動について、国際的に高い評価を受けているので、自衛隊の活動内容を給油活動に絞った新法案を国会に提出し、成立を図りたいとの強い意欲を示した。また、地方活性化について、本当の地方のニーズを把握し、障害を取り除き、地方の自助努力をバックアップする施策をとっていきたいと表明した。

続いて行われた意見交換では、日本経団連側から、地域活性化に向けた道州制導入の検討の必要性、地球温暖化防止に向けた全主要排出国の参加する枠組みづくりや京都議定書の目標達成に向けた企業の自主的な取り組みの重要性などについて発言があった。

これに対して自民党側から、道州制については、地域活性化のための重要な方策の一つとして、道州制調査会を総裁直属の機関に改組してより積極的に推進していくことを検討中であること、地球温暖化対策については、来年の洞爺湖サミットでの中心課題でもあり、政府与党を挙げて全力で取り組んでいく決意であることが紹介された。

【社会第二本部政治担当】
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