日本経団連は9月18日に開催された理事会において、現在、政府が来年度の本格実施に向けて検討をしている「ジョブ・カード構想」の説明と、同制度への協力の呼び掛けを行った。ジョブ・カード構想の概要は次のとおり。
同制度は、今年2月に取りまとめられた政府の「成長力底上げ戦略」の中の「人材能力戦略」を具体化するもの。政府の「ジョブ・カード構想委員会」が検討し、7月24日の中間報告で概要が明らかになっている(図表参照/PDF版はこちら)。
同制度の目的は、職業能力形成の機会に恵まれなかった人を対象に、政府と企業が協力して実践的な職業訓練の機会を提供するとともに、訓練の履歴を記載したジョブ・カードと呼ばれる「職業能力証明書」を交付することで、就労を支援すること。
希望者は、まず、ハローワークなどでキャリア・コンサルティングを受け、「職業能力形成プログラム」や「実践型教育プログラム」により企業現場でのOJTと教育機関での座学を組み合わせた訓練を受講する。受講後、修了証を受け取り、それをもとにジョブ・カードの内容を記載する。その後、再びキャリア・コンサルティングを受け、キャリア・コンサルタントが同カードにサインすることで完成となる。
同カードを活用することで、就職活動が有利に展開されることなどが期待されている。
同カードは、総括表からキャリアシートまで、さまざまな文書をひとまとめにした総称である。「職業能力形成プログラム」など政府の指定したプログラムを修了した人には、「職業能力証明書」(ジョブ・カード・コア)が交付される。
同制度の本格実施は2008年度を予定している。政府は、職業能力証明書の対象となるジョブ・プログラムの修了者について、来年度からの3年間で20万人程度、5年間で40万人程度を目標としている。