日本経団連の御手洗冨士夫会長は9月25日から28日まで、日中経済協会訪中代表団の最高顧問として中国を訪問、張富士夫副会長(日中経済協会会長)とともに温家宝総理と会見したほか、中国の経済官庁幹部と意見交換した。今回は例年の活動に加え、中国で初めて開催された日中省エネルギー・環境総合フォーラム、日中国交正常化35周年記念式典に参加し、今後の両国関係の発展に向け、日中友好の重要性をアピールした。
温家宝総理との会見で御手洗会長は、日中関係のさらなる改善に向け、三つの提案を行った。第一に、環境・省エネ分野について、「日本の経験や知見が中国の発展に必ず役立つ」と述べるとともに、「環境にやさしいエコプロダクツの中国国内での普及をはじめ、さらに広い分野での日中協力を促進すべきである」と述べた。第二に、「両国首脳交流の実現により改善した日中関係を草の根レベルにまで広げ、定着させることである」と述べ、日中文化・スポーツ交流年の活動を着実に実行し、国民レベルでの友好関係の発展につなげていきたいとの考えを示した。最後に御手洗会長は、「胡錦濤国家主席のできるだけ早い時期の訪日を実現させてほしい。来日の暁には、私どもの経団連会館にお立ち寄りいただき、成長著しい中国の姿を、胡錦濤主席からわが国経済界に対して、直接ご説明いただきたい」と要請、経済界を代表して、胡錦濤主席の来日を歓迎すると語った。
これに対し温家宝総理は、「中日両国関係に重要な転機が現れているこの好機を生かして、両国の協力関係をさらに各分野で広げていく必要がある」と述べた上で、両国のハイレベルの相互訪問の継続が重要であるとして、福田新総理の早期訪中に期待を示すとともに、「胡錦濤主席の来年の訪日に向けて、鋭意準備を進めている」と語った。
また、環境保護と省エネルギーを両国の経済面での協力の重点とすると言及、「日本の進んだ経験と技術を学び、参考にしたい」と述べた。さらに中国東北地区と日本との協力の促進については、特に東北旧工業基地振興を推進しているこの時機に、日本の多くの企業が中国に投資をすることへの期待を示すとともに、経済関連法規の整備を進め、日中両国間の経済協力(経済合作)がより進展することを期待していると語った。