日中国交正常化35周年を記念して政府・自民党が積極的に推進している「2万人交流計画」に協力するため、日本経団連は関澤秀哲中国委員会植林協力部会長を団長とするミッションを重慶に派遣した。ミッションは24日から26日まで重慶においてさまざまな交流イベントを実施した。
日本経団連は2001年から重慶市において1000ヘクタールを目標とする環境植林プロジェクトを推進している。植林プロジェクトは地元住民から歓迎されているだけでなく、中国の中央政府や地元の重慶市政府からも高い評価を受けている。
2万人交流計画では政府・自民党の呼び掛けで日本から中国19の都市に各種の訪問団が訪中する予定であるが、今年は日中開戦70周年であることから、過去の戦争で大きな犠牲を出し、また日本経団連が植林を行っている重慶へのミッション派遣に関して、首相官邸や政府・自民党から日本経団連に対して強い要請が寄せられた。ミッションには会員企業各社の役員・幹部35名が参加した。
ミッションは24日の夕方、重慶市内のホテルで結団式を開催した後、冨田昌宏総領事をはじめとする在重慶日本国総領事館の幹部ならびに重慶日本商工クラブの役員を招き日本経団連の植林プロジェクトを紹介する夕食懇談会を開催した。
25日には、2万人交流計画の担当である重慶市旅游局からの説明会が開催された。同会議において、重慶市旅游局の孫逸民副局長から重慶の観光資源や観光誘致策について詳細な説明があった。その後、旅游局のプログラムに沿って市内視察を行った。
26日、ミッションは二手に分かれ、主要メンバーは譚栖偉副市長との会見、そのほかのメンバーは長寿区の植林サイトの視察を行った。
譚副市長との会見では、関澤団長から2万人交流計画と日本経団連の植林プロジェクトについて紹介したのに対して、譚副市長からは「日本経団連ミッションの来訪を心から歓迎する。日本経団連の植林プロジェクトは三峡ダム生態環境保護に貢献しており、心から感謝する」との発言があった。会見の後、重慶市政府主催の昼食会が開催され、重慶市との直行便開設の可能性をはじめ、重慶市の観光資源、交通インフラ、生態環境保護等について懇談した。
植林サイト視察は35度近い猛暑の中で実施されたが、重慶市青年連合会や長寿区政府の協力の下、総領事館や重慶日本商工クラブを含めて総勢40名以上が参加し、日中友好を深めた。