6月1日に設立された日本経団連事業サービス(御手洗冨士夫会長)は、7月23日、東京・大手町の経団連会館で、設立記念講演会・パーティーを開催、日本経団連役員や会員代表者、関係者らが講演会には約350名、パーティーには約450名出席した。講演会冒頭にあいさつした御手洗会長は、日本経団連事業サービスの設立目的や活動内容などを説明、(1)日本経団連や関係団体と連携を図り、日本経団連が提言する政策の内容をシンポジウムやセミナーを開催して紹介したり、書籍を発刊することなどを通じて、企業や国民の理解を広く得られるよう活動していく(2)実際に政策提言が実現して変更された諸制度や新たな法律の内容についても、変更内容がすぐにわかるように解説書を発行したり、セミナーや説明会を開催するなど会員や企業にわかりやすい形にしてタイムリーに情報を提供していく(3)各種の研修や人材育成事業を通して、企業の発展を支える高度人材、時代を担う有為な人材の養成といった経営支援活動も積極的に展開していく――と述べた。
講演では、三井物産常務執行役員の寺島実郎氏が「世界潮流と日本の針路を考える」をテーマに、世界と日本の経済・社会の変化について、具体的数字を挙げて解説した。
続くパーティーでは、まず森田富治郎監事(日本経団連副会長)があいさつし、「日本経団連は、かねて構造改革の推進を加速するためにさまざまな政策提言を行い、政治や行政に対し強く働き掛けを行っているが、こうした政策を実現するには、経済界のみならず、広く国民の理解と支持を得ることが不可欠である。そこで日本経団連は政策提言の内容の周知を図るために、出版や研修、情報提供事業などを行う新法人を設立した」と設立の経緯を改めて紹介、支援と協力を求めた。
続いて乾杯の音頭を取った西室泰三日本経団連評議員会議長は、「日本経団連がもっと効率的に、しかも社会に貢献のできるような体制をつくらなければならないということで、御手洗会長を中心として考えた成果が日本経団連事業サービスという組織の設立である。日本経団連のPRを行い、人材を育成し、出版物を発行するといった活動を前向きに実施できる活動部隊が、ここに発足した」と述べた。
パーティーではこのほか、茂木賢三郎キッコーマン副会長・日本経団連フォーラム21アドバイザー、倉地康孝弁護士・経営法曹会議代表幹事ほかが祝辞を述べた。