日本経団連タイムス No.2870 (2007年8月2日)

日本経団連グリーンフォーラム

−7月合宿講座を開催


プロフェッショナルのコアスキルを学ぶ」をテーマにした「日本経団連グリーンフォーラム」の7月合宿講座が、講師に同フォーラムのアドバイザーである関島康雄3Dラーニング・アソシエイツ代表を迎え、7月19、20の両日、山梨県富士吉田市の人材開発センター富士研修所・富士Calmで開催された。

初日の第1講座で関島氏は、1990年代以降、グローバル企業の競争のやり方と速度が大幅に変わり、それに伴って戦略も様変わりしてきたことを指摘した。そして、このような多様なビジネスモデルの現れる「変革期」にはリーダーシップが特に必要であり、変化を当然と受け止める企業文化の醸成が欠かせないと述べた。さらに、企業レベルで重要なことは、人材ポートフォリオを中心にした経営資源の組み替えや事業の選択、人材の育成・維持、創発的戦略(高台から全体を見渡し、そこで見えたことに基づいてはっきりしてくる戦略)などであると説明。また一方で、個人レベルでは、自分自身でキャリアを考え、エンプロイヤビリティやプロ意識をもってこの状況に対応していくことが求められ、その上で変革期のリーダーには、ステップに応じてマネジメントのレベルを徐々に上げ、変化を創造していくことが大切だと強調した。

引き続いての第2講座では、「リーダーの役割と必要なスキルは?」というテーマが課せられ、それぞれのグループでリーダー像を深めるための討議が行われた。

2日目は、前日のグループ・ディスカッションの結果を各グループの代表者が報告し、関島氏がそれぞれの発表に関して講評するとともに、参加者同士による活発な意見交換が行われた。

締めくくりとなる第3講座で関島氏は、「リーダーシップとは変化に対応して生き残るために、その変化を自ら創造した上で方向を明示し、ビジョンと戦略を生み出すことである。人々に対して動機付けを行い、障害を飛び越えるエネルギーを与えることもリーダーの役割だ」と述べた。

また、特に変革期を担うリーダーに求められる資質について、「変えることに関して明確な説明ができ、高いレベルの言行一致に裏付けられた信頼感を保持することができ、目標に向かってみんなを勇気付け、また修羅場をくぐった経験をもっていればなおよい」と説明。

最後に、「リーダーシップは自分自身で育てて自得し、さまざまな経験を経てゆっくり熟成されていくものであり、リーダーはなによりも“普段”が圧倒的に大切である」と結んだ。

【日本経団連事業サービス研修担当】
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