日本経団連は5月29日、「夏季・冬季賞与・一時金調査」の2006年調査結果 <PDF> を発表した。今回の調査結果のポイントは、(1)支給額の対前年同期比は、非管理職・管理職、夏季・冬季とも3年連続プラス(2)「考課査定分」が非管理職で3割超、管理職で5割超(3)業績連動方式の採用企業(製造業)が45.6%で過去最高――など。同調査結果の概要は次のとおり。
非管理職の平均賞与支給額は、夏季79万4052円(前年同期74万5362円)、冬季78万2769円(同76万817円)。対前年同期比は、夏季がプラス4.0%(前年プラス5.4%)、冬季がプラス3.8%(同プラス5.1%)となっている。
管理職の平均賞与支給額は、夏季152万2490円(前年同期141万7085円)、冬季138万8780円(同138万6446円)。対前年同期比は、夏季がプラス4.0%(前年プラス7.5%)、冬季がプラス4.8%(同プラス6.2%)となっている。
賞与支給額(非管理職)を産業別にみると、製造業では夏季81万1379円(前年同期77万9163円)、冬季が81万1056円(同80万8043円)。対前年同期比では夏季がプラス3.2%(前年プラス4.3%)、冬季がプラス2.4%(同プラス4.9%)となっている。
非製造業では、夏季が77万1773円(前年同期69万2571円)、冬季74万6977円(前年同期69万492円)。対前年同期比では夏季がプラス5.0%(前年プラス7.2%)、冬季がプラス5.5%(同プラス5.4%)となっている。
賞与支給額の配分状況は、非管理職では「定率分」が49.6%(前年53.5%)で最も多く、「考課査定分」が33.1%(同29.9%)、「定額分」が15.4%(同14.8%)と続いている。管理職では、「考課査定分」が51.6%(前年50.6%)で最も多く、次いで「定率分」が30.4%(同30.6%)、「定額分」が15.5%(同17.1%)の順になっている。
非管理職では「定率分」が最も多いものの、「考課査定分」が初めて3割を超え、管理職でも4年連続して5割を超えた。
賞与・一時金における考課査定の幅をみると、査定幅の最高と最低が同じ場合、非管理職では「10%以上20%未満」とする企業が29.9%で最も多く、「10%未満」が21.6%、「20%以上30%未満」が19.8%、「50%以上」が18.0%と続いている。管理職でも「10%以上20%未満」とする企業が25.8%で最も多くなっているが、「20%以上30%未満」が22.7%、「50%以上」が21.1%となっており、非管理職より考課査定の幅が大きい傾向がみられる。
また、今回初めて調査を実施した「査定幅の最高と最低の幅が異なる場合」では、非管理職の最高幅は「10%以上20%未満」(28.3%)、「20%以上30%未満」(22.6%)、最低幅は「10%未満」(26.4%)、「20%以上30%未満」(20.8%)とする企業が多くなっている。一方、管理職の最高幅は「10%以上20%未満」(22.5%)、「20%以上30%未満」「50%以上」(各20.0%)などとする企業が多く、最低幅は「50%以上」(20.0%)が最も多くなっている。
賞与総額(原資)の決定方法で、業績連動方式を採用している企業は全産業39.0%(前年39.9%)、製造業45.6%(同42.2%)、非製造業30.5%(同36.5%)となり、製造業では3年連続して4割を超えた。
算定方式別にその内容をみると、「経常利益や営業利益等を基準とする」企業が80.3%(前年87.1%)で最も多く、3年連続で8割を占めている。
このほか、「生産高、売上高を基準とする」企業が9.4%(前年7.3%)、「付加価値を基準とする」企業が6.8%(同4.8%)となっている。
「夏季・冬季賞与・一時金調査」は、賞与・一時金の支給実態を把握し、今後の参考とするために毎年行っているもので、賞与・一時金の水準に加え、支給額の考課査定分への配分状況や考課査定幅の分布、賞与原資の決定方法など、賞与・一時金制度の実態も調査している。今回の06年調査は、日本経団連企業会員会社および東京経営者協会会員会社2057社を対象に実施、321社から回答を得た(有効回答率15.6%)。