日本経団連は5月25日、東京・大手町の経団連会館で、ベトナム社会主義共和国のファム・ザー・キエム副首相兼外務大臣との懇談会を開催した。日本経団連からは、岡素之日本ベトナム経済委員長らが出席した。
岡委員長はあいさつの中で、昨年11月、安倍総理とともに御手洗冨士夫会長を団長とする日本経団連の大規模ミッションが訪越したことなどを挙げて、日本とベトナムの関係が極めて良好であることを指摘。日本企業のベトナムへの関心が高まっていると述べた。
また、ベトナムが今年1月にWTOへの正式加盟を果たしたことや、日本との経済連携協定(EPA)について正式交渉中であること、さらに日越共同イニシアチブの第2フェーズが進行中であることなどに触れるとともに、「ベトナムの投資環境整備に向けた並々ならぬ努力とその実績に敬意を表する」と語った。
これに対し、キエム副首相兼外相はまず、ベトナム経済の発展に対する日本経団連の貢献に謝意を表明。その上で、「今日ほど日越両国関係が良好なときはない」との認識を示し、「両国関係は長期的安定、信頼ある段階を迎えた。これは両国の経済発展に良い契機となる」と述べた。
またキエム副首相兼外相はベトナム経済にとっての重要案件として、高速道路、高速鉄道、ハイテクパークの3つを挙げ、「2020年までにベトナムが産業国になる目標を達成するために、この3大案件は重要な意味を持つ。3大案件こそ、日越協力のシンボルとなる。そういう意味で、日本経団連にはぜひ、3大案件に対して格別の配慮をいただきたい」と要請した。
さらにキエム副首相兼外相は「ベトナム経済は順調に発展しており、今年は8.5%の成長率となる見込みである。ベトナムを北部、中部、西部に分けると、外国企業の投資は北部、西部の2カ所に集中してきた。日本経団連には、中部への投資についてもPRしていただきたい。中部は観光の潜在力があるし、資源も多い。ダナン人民政府は中部のセンターであるが、ほかにもセンターをつくりたい」と語った。