日本経団連の御手洗冨士夫会長は1日、「地球温暖化防止に向けた取り組み強化のお願い」を会員あてに発信した。全文は次のとおり。
京都議定書の約束期間(2008年〜2012年)を目前に控えて、地球温暖化対策への取り組みはますます重要になっております。わが国においても、国内目標の達成に向けて、各界各層が全力を挙げて対策に取り組むことが不可欠であると存じます。
日本経団連では、環境と経済の両立を実現する観点から、規制的手法によらず、民間の創意工夫を活かして貢献すべく、環境自主行動計画をはじめ積極的に取り組みを進めておりますが、会員企業・団体各位におかれましては、一層の取り組み強化にご理解、ご協力を頂きますようお願い申し上げます。
1997年に策定した環境自主行動計画(温暖化対策)は、2010年度のCO2排出量を1990年度レベル以下に抑制するとの共通目標を掲げる産業部門およびエネルギー転換部門を中心に、運輸部門、民生業務部門とあわせて多くの業種・企業が参加し、積極的に温暖化対策を展開しています。参加業種・企業におかれましては、個別目標の着実な達成に向けて、一層のご尽力をお願い致しますとともに、未だご参加頂いていない業種におかれましては、是非ご参加頂きますよう改めてお願い申し上げます。
また、オフィスや店舗等、業務部門や物流を含む運輸部門の温室効果ガス排出量の抑制が課題であることから、これら部門のエネルギー効率の向上に向けた対策強化におきましても、特段のご理解とご協力を頂きますようお願い致します。
温暖化問題への取り組みにおいては、国民一人ひとりがライフスタイルを見直し、自覚をもって温暖化防止につながる行動を積み重ねていくことが重要です。
今夏も昨年に続き、トップ自らの軽装(クール・ビズ)の率先をはじめ、オフィスや店舗等における冷房温度の調整や、従業員や取引先、業界、地域等への理解促進など、国民運動の拡大、定着に繋がる取り組みにご協力下さいますようお願い致します。
日本経団連におきましても、6月から9月まで、冷房温度を高めに設定いたしますので、会合には軽装でお越し下さいますようお願い致します。
また、政府による国民運動「チーム・マイナス6%」では、今年度上期の重点取り組み課題として、買換え時のエコ製品選択の奨励を推進することとしております。省エネ性能の高い機器・製品の効果に対するご理解を頂くとともに、オフィスビルや工場、商業施設等の照明や空調等の更新に際しましては、積極的な採用を検討頂ければ幸いに存じます。
このほか、環境・省エネルギーに関する情報の紹介や環境家計簿の提供・奨励など、従業員が個人・家庭レベルで環境問題への理解を深め、具体的な省エネ行動の実践につながる取り組みについても、国民運動への協力の一環として、検討頂くようお願い致します。
環境問題への自主的な取り組みと、積極的な環境情報の開示・発信は、いわば車の両輪であり、産業界の努力を広く内外に理解頂くとともに、わが国企業の優れた環境・省エネルギー技術や製品、サービスを通じて、各地での温暖化対策に貢献していく上でも、情報の開示・発信は不可欠です。環境報告書やホームページをはじめ、さまざまな媒体を通じて、環境情報の自主的、積極的な開示をお願い致します。