日本経団連の御手洗冨士夫会長は12日、東京・大手町の経団連会館で会長・副会長会議後に記者会見を行った。
14日に集中回答日を迎える春季労使交渉について御手洗会長は、企業別に交渉が進んでいるが、総じて経営側の姿勢が昨年よりも柔軟になっているとの見方を示した一方、業種間、企業間で業績の回復状況が異なることや、国際競争への対応状況もさまざまであることから、今の時点で一概に論じることは難しいと語った。
また、最低賃金について、中小企業の生産性を向上させることで、最低賃金の底上げを図るという政府の考え方は方向として正しいと指摘した上で、実際の引き上げに際しては都道府県ごとの審議会で議論することになるだろうと語った。
地球温暖化対策については、まずは2012年まで京都議定書の目標達成に向けて努力することが重要であると指摘。その上で、2013年以降の国際枠組については、米国、中国、インドなどの主要排出国を入れた形で検討をしていくべきであるとの見解を示した。
5月に解禁される三角合併に関して御手洗会長は、ディスクロージャーや外為法の強化については、政府・自民党に日本経団連の考え方が理解されたもので評価したいと述べた上で、今後は施行後の状況を注意深く見守っていきたいと語った。
談合の問題については、談合は法違反であり排除していかなければならないと強調。引き続き「企業行動憲章」の徹底・順守を会員企業に働きかけていくと語った。