日本経団連タイムス No.2850 (2007年3月8日)

日本経団連グリーンフォーラム・2月合宿講座を開催

−ロジカルシンキング学ぶ/メンバー各自が100日プラン発表


日本経団連が昨年7月にスタートさせたグリーンフォーラム第1期は2月22、23の両日、1年を締めくくる2月合宿講座を実施、最終講義で筋道を立て網羅的に考えるロジカルシンキングを学び、続いてメンバー1人ひとりがこれまでに学んだ知識や知恵をもとに、修了式翌日を起点とする100日プランを発表した。

合宿初日は、組織コンサルタントの堀公俊・日本ファシリテーション協会会長が「問題解決のロジカルシンキング」を実習を交えて指導。問題を発見し、粘り強く分析して解決策を立案・実行し、結果を検証するまでのプロセスを、思考の筋道を追いかける「縦の理論」と、多面的な角度から考える「横の理論」から探った。
さらに、組織の力を最大限に引き出し、問題解決のプロセスを促進させるファシリテーションのスキルについても学び、与えられた課題の最適解をグループで話し合って導き出すディスカッション・トレーニングを実施。ファシリテーターのかじ取りの下、ミッシー(MECE=モレなく、ダブリなく)で構造化を試みながら合意形成を図った。
各グループの発表後に堀氏は、ロジカルに物事を考えることを「思考のくせ」にしてほしいと述べ、「これで本当に考えたといえるか、本当に答えになっているかと、常に疑って考えることで能力が高まる」とアドバイスした。

合宿2日目は、これまでの講義やディスカッションを踏まえ作成した各自の100日プランについて、まずグループ内で合評。その後、各グループの代表がプラン策定にいたる過程と具体的プランを発表した。
100日プランの策定に当たっては、これまでの学習内容を振り返り、組織の強み・弱み、最近登場した新技術や新しい考え方、個人生活・会社生活の両面において従来と行動を変えなければならない点、現状を変えるために伝えたいメッセージをよく示す物語などを考慮。これらを参考に実行を担保する工夫を織り込み、(1)1日目(2)第1週(3)30日以内(4)60日以内(5)99日目まで(6)100日目――と、ステップを踏んだプランを策定した。
指導に当たった関島康雄アドバイザー(3Dラーニング・アソシエイツ代表)は全員のプランに目を通し、「プラン初日に、自分を支えてくれている人たちへの感謝の気持ちを伝えることが欠けている」と指摘。さらに、プラン実行のために、クリエイティブでおもしろいプロジェクトや制度を自ら立ち上げるなど、「わくわく度」を高める工夫が実行に結び付くと示唆した。
2月合宿講座を終え、メンバーはこのあと3月13日の修了式に臨む。

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日本経団連グリーンフォーラムは昨年7月の開講からこれまで、経営リーダーの役割や変革のリーダーシップ、目標達成のためのコーチング、プロジェクトマネジメント、キャリアデザイン、説得力・交渉力、異文化コミュニケーション、プレゼンテーション、ファシリテーション、ロジカルシンキングなど、リーダーに求められるコアスキルを、実習を中心に学んだ。
第2期(2007年度)は、関島氏のほか大久保幸夫・リクルートワークス研究所所長をアドバイザーに迎え、また、プログラムにマーケティングを追加して5月に開講する。

【事業サービス本部研修担当】
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