日本経団連タイムス No.2847 (2007年2月15日)

御手洗会長記者会見


日本経団連の御手洗冨士夫会長は13日、東京・大手町の経団連会館で会長・副会長会議後に記者会見を行った。

会見の冒頭、御手洗会長は、日本経団連が今月3日から8日に派遣した訪オーストラリアミッションにおいて、「ハワード首相はじめ豪州政府・経済界首脳に対し、包括的で質の高い日豪EPAを早期に実現するよう働き掛けると同時に、農業分野に関し、日本として難しい問題を抱えていることを率直に説明した」と表明。一方豪州側からは、日本の立場について一定の理解を示した上で、すべての事項を交渉の対象とし、透明度の高い交渉をしたいとの発言があったと説明した。その上で「日本経団連としては、日豪EPAの早期実現に向け、今後とも関係方面に対し、必要な働き掛けを行っていく」との意向を示した。

また、景気の現状と見通しについては、緩やかに回復しているとの認識を示し、輸出が横ばいとなっていることについては、米国経済がソフトランディングする可能性が高いことから、いずれ増勢を取り戻すだろうと語った。その上で、景気は年後半にかけて回復し、実質で2%程度の成長になるとの見方を示した。

さらに、春季労使交渉に対する考え方について問われた御手洗会長は、「個別企業の賃金は、国際競争力の維持・強化の観点から、生産性、支払能力、中長期的な経営戦略などを踏まえ、個別労使が話し合って決めるものである」と強調、市場横断的なベースアップはあり得ないとの認識を示し、短期的な利益は、賞与・一時金で従業員に報いるべきであるとの考えを示した。

【社会第一本部広報担当】
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