日本経団連タイムス No.2840 (2006年12月12日)

参院自民党幹部と懇談

−税制改正などで意見交わす


日本経団連は11月16日、都内のホテルで参議院自由民主党幹部との懇談会を開催した。自民党側からは、片山虎之助幹事長、溝手顕正内閣府特命担当大臣(防災)、矢野哲朗国会対策委員長、舛添要一政策審議会長らが参加した。日本経団連では1999年以来、参議院自民党幹部との間で定期的に意見交換会を開催している。

冒頭、あいさつした片山幹事長は、日本経団連との意見交換会について、全体会合以外にも、税・財政・社会保障、行革など政策分野別の分科会が開催されており、議論の進展に期待していると述べた。衆議院では与党単独採決となった教育基本法については、参議院では正常に審議されるよう野党に呼びかけていきたいとの考えを示した。また、税制改正については、経済界の意見を適宜反映させながら今後の議論を進めていくと発言した。

続いてあいさつした日本経団連の宮原賢次副会長は、現在の景気回復は政府与党の構造改革と企業の経営努力が相まったものとした上で、人口減少社会の到来やグローバル競争の激化など山積する課題を前に、改革の手を緩めるわけにはいかないと強調。持続的な成長を実現するには、変化を先取りして改革を推進する必要があり、その意味で日本経団連と参議院自民党との意見交換の重要性は高まっていると述べた。

矢野国会対策委員長からは、教育基本法改正について、衆議院において100時間の審議を行っている状況で、今国会の期限が残り1カ月となる中、良識の府として審議を尽くすべく、野党に参加を呼びかけたいとの発言があった。

続いて、舛添政策審議会長が、今国会では、教育基本法をはじめ貸金業法、防衛庁の省昇格法、国民投票法など重要法案の審議と併せて、公務員制度改革、社会保険庁改革、教育改革などにも積極的に取り組みたいとの意欲を示した。また、外交面では経済連携協定(EPA)、共和党敗退後の日米関係への影響、北朝鮮問題に関する六カ国協議などへの対応など、課題が山積しているとし、参議院自民党として積極的に対応を検討していくとした。さらに、政治資金規正法の外資規制については、経済のグローバル化に伴い上場企業の外国人持株比率が上昇しているとの実態を踏まえ、合理的なものに修正する必要があると述べた。

その後、日本経団連側から、三角合併の厳格化や法人実行税率引き下げなどの税制改正、環境税や温暖化対策への対応についての意見が出され、自民党側がこれに対応するかたちで活発な意見交換が行われた。

【社会第二本部政治担当】
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