日本経団連タイムス No.2840 (2006年12月12日)

地方団体長会を開催

−「07年版経労委報告」案で意見交換


日本経団連は11月21日、東京・大手町の経団連会館で地方団体長会を開催、地方経営者協会会長ら29名が出席した。同会は日本経団連会長の諮問機関であり、毎年5月と11月の年2回開催している。

今回の会合は、日本経団連が12月に発表予定の「2007年版経営労働政策委員会報告」案について、意見交換を行うことが主なテーマ。地方団体長会議長の和田紀夫副会長・東京経営者協会会長は、開会のあいさつで、「経営労働政策委員会報告は、単に春季労使交渉や労使協議に向けた経営側の姿勢を示したものにとどまらず、社会・労働情勢の今後の方向や、経営者としてのあり方を提起したものであり、多くの経営者に読まれている。こうした期待に応えるためにも、地方経営者協会からの意見を参考にし、より良い報告書にしていきたい」との抱負を述べた。
また和田議長から、「地方が活性化すれば、日本が活性化する。地方経済の中心的な経済団体である各地方経営者協会の活動には、大いに期待している」と、御手洗冨士夫会長からのメッセージの紹介があった。

地方8ブロック代表者らが意見発表

意見交換では、地方8ブロックの代表者などが同報告案に対して意見を発表。(1)景気の回復速度には地域間・業種間格差が大きく、その是正に向けて、地方の自助努力と国の支援が求められる(2)正規社員と非正規社員との所得格差については、その実態を検証する等、より詳細な記述が必要である(3)外国人労働者の問題は、法制度の整備にとどまらず、地域社会との関係についても掘り下げるべき(4)ワーク・ライフ・バランスの推進に当たっては、実態を踏まえた取り組みが必要である(5)国の発展には安心・安全な国づくり・地域づくりが不可欠である(6)第1次産業、第3次産業の生産性向上が、景気の向上に不可欠である(7)地域経済の活性化や、個別労使紛争等の諸課題に対して、地方経営者協会が重要な役割を果たしている――などの意見が出された。
また同会の副議長である辻井昭雄関西経営者協会会長からは、同報告は地方の経営者向けであり、より具体的な記述を心がけること、岡部弘愛知県経営者協会会長からは、教育問題や地域活性化に向けた国の役割について言及すること、などの意見があった。これらの意見を受け、和田議長が、「御手洗会長、岡村正経営労働政策委員長に伝え、取りまとめの参考にしていただく」との総括を行った。

最後に、今年5月に行われた会合で、御手洗会長が地方団体長会に諮問した「地方経営者協会と日本経団連との連携のあり方」についての中間報告案が了承された。同報告案は、これまで地方団体長会の補佐機関である地方経協専務理事会を中心に検討が行われていたが、その結果をもとに今回中間報告を取りまとめたもの。今後は、来年5月の最終報告の取りまとめに向け、各ブロックでさらに検討が行われる予定。

【総務本部組織協力担当】
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