日本経団連タイムス No.2832 (2006年10月5日)

知的財産委員会著作権部会を開催

−新設後初の会合


日本経団連は9月25日、東京・大手町の経団連会館で著作権部会(和田洋一部会長)を開催した。著作権部会は今年5月に設置された知的財産委員会(野間口有委員長)の下部組織として新設されたもので、今回が最初の会合となる。

デジタル化、ネットワーク化の進展に伴って、現行の著作権法が想定していない状況が発生しており、現行法の下では、必要かつ十分な権利保護や利用促進が図られないおそれがある。ユビキタス時代におけるコンテンツ関連ビジネスの健全な発展のためには、内外のビジネスの状況、国際条約との整合性、権利者保護とユーザーの利便性のバランスに配慮しつつ、著作権法制のあり方を検討し、解決策を探ることが求められている。特に、ネットワーク環境下におけるデジタル著作物の特質に着目した中長期的な視点からの議論が必要となっている。
著作権部会は、こうした認識の下に、関連するさまざまな企業が著作権法制のあり方について検討を行う場として設けられた部会で、メンバーは、音楽、映画、アニメ、ゲーム、ビジネスソフトなどソフト関係企業、情報家電、コンピュータなどハード関係企業、通信、金融などコンテンツ流通関係企業約15社。

部会では、デジタルコンテンツは、特定の媒体を介在しないこと、グローバルな規模でネットワーク上を転々流通すること、ユーザーの積極的関与によってコンテンツ自体が変化していくことといった、現行の著作権法の下では想定されていない状況が多く存在するとの指摘がなされ、今後、デジタル化、ネットワーク化時代における著作権法制の中長期的なあり方について課題の「視える化」を行い、解決の方向性を検討することとなった。
なお、検討に当たっては、著作権関連ビジネスやコンテンツ産業のあり方と密接に関係することから、産業問題委員会エンターテインメント・コンテンツ産業部会と緊密に連携を図ることとしている。

【産業第二本部開発担当】
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