日本経団連タイムス No.2831 (2006年9月28日)

企業倫理徹底で「お願い」

−御手洗会長、会員企業に訴える


日本経団連は、毎年10月を「企業倫理月間」と定め、セミナーや研修会の開催などを通じて、会員企業に企業倫理の確立を呼びかけている。
御手洗会長は、19日の理事会において、今年の企業倫理月間を前に、会員企業に対し、改めて企業倫理確立の重要性を訴えた。
なお、10月16日には「第5回企業倫理トップセミナー」を開催することとしている。多くの経営トップご本人の出席をお願いしたい。

企業倫理徹底のお願い

2006年9月19日
(社)日本経済団体連合会
会長 御手洗冨士夫


日本経団連は、企業行動憲章や同実行の手引きを通じて、企業倫理の確立を求めてまいりました。しかし、製品やサービスの品質・安全性の問題、個人情報や顧客情報の紛失・漏洩、市場ルールへの違反、契約をめぐる消費者・顧客の信頼を損なう問題など、企業に対する社会の信頼が失墜する不祥事が絶えないことは、誠に遺憾であります。

経済のグローバル化、従業員意識の変化、消費者・顧客の意識の高まりなどにより、経営環境は日々変化しております。企業倫理の徹底は、経営者の責務であります。会員代表者各位におかれては、役員と社員全員の意識改革にご尽力いただきたいと存じます。経営トップが自らの言葉で企業倫理の重要性を繰り返し訴え、社内体制を強化し、社内の隅々まで徹底することが、不祥事を許さない企業風土を確立することにつながることと存じます。また、自社のみならず、グループ各社や関連会社における企業倫理の徹底についても、取り組んでいただきたいと存じます。

以上の点をふまえ、本年10月の企業倫理月間において、企業行動憲章の趣旨に沿って、企業行動の総点検をお願いしたいと存じます。その際、特に下記の7点について、取り組みを強化していただければ幸いです。

コンプライアンス体制の整備と見直し

  1. 各社独自の行動指針の整備・充実
  2. 企業倫理担当役員の任命や担当部署の設置等、全社的な取り組み体制の整備
  3. 企業倫理ヘルプライン(相談窓口)の整備

コンプライアンスの浸透と徹底

  1. 経営トップの基本姿勢の社内外への表明と具体的な取り組みの情報開示
  2. 役員を含む階層別・職種別の教育・研修の実施、充実
  3. 企業倫理の浸透・徹底状況のチェックと評価

不祥事が起きた場合の対応

  1. 適時的確な情報開示、原因の究明、再発防止策の実施、ならびにトップ自らを含めた関係者の厳正な処分
以上
【社会第二本部企業倫理担当】
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