日本経団連の御手洗冨士夫会長は12日、東京・大手町の経団連会館で会長・副会長会議後に記者会見を行った。
村上ファンドの村上代表が逮捕され、投資ファンドへの風当たりが強まっていることについて御手洗会長は、企業価値という観点から、グリーンメイラーのような行為は悪質であるとした上で、今回の件が健全なファンドに対する悪印象に結びつかないことを願うと述べた。また、金融商品取引法の成立により、ファンドの透明性が向上し、証券市場に良い影響を与えることを期待していると語った。
実質GDP成長率が年率3.1%に上方修正される一方、株価が1万5000円を割る状況が続いていることについては、G8財務相会合で前向きの発言が多く聞かれたように、世界経済は拡大を続けており、日本の景気も「いざなぎ景気」を超えると言われていることから、年率3.1%は実感に近い数値であるとの認識を示した。また、株価については、利益確定などにより調整局面にあるが、各社の業績は良く、不景気の前触れなどとは思っていないとの見解を示した。
歳入歳出一体改革については、徹底的な歳出削減を強力に進めることは当然だが、少子化、高齢化に伴う社会保障関係費などの増大は避けられないと指摘。歳入確保は必要だが、成長軌道を保つためには直接税に多くの比重をかけることは許されないと強調し、消費税に関する具体的なことは政府の骨太方針が出てから改めて考えたいと述べた。
ゼロ金利の解除については、日本銀行が適切な時期に適切な判断をするだろうと述べた。