自動車や電機、鉄鋼など金属労協(IMF・JC)加盟の労働組合の要求に対する回答が、回答指定日である15日に経営側から提示された。今年の春季労使交渉は、日本経済全体が回復基調にある一方、業種間や企業間などで業況に差がある中で行われており、それを反映した回答内容となった。回答に関して日本経団連の奥田碩会長は同日、「個別労使で話し合った結果、各企業が自社の状況を踏まえて判断し、出されたものであると理解している」とのコメントを発表した。
賃金については、「06、07年度ともに定昇3700円」とした上で、賃金改善要求については「検討委員会の設置」(新日鐵、神戸製鋼)、「06年度秋を目処に労組に提案」(JFE)、「2年間で資格給と業績給を段階的に引き上げ」(住友金属)となっている。年間一時金については、住友金属が216万円(昨年182万円)を回答、新日鐵とJFE、神戸製鋼は業績連動方式を採用している。
賃金については、日産は7000円、トヨタ自動車は昇給分6900円+賃金制度改善分1000円、ダイハツ工業は7100円(含む賃金改善分)、ヤマハ発動機は「賃金制度維持分+賃金改定原資相当分1000円」、本田技研は賃金引き上げとして600円、スズキは賃金改善として1000円、日野自動車は定昇分4651円、富士重工は「賃金体系維持」、マツダは「賃金改善分0円、ただしカフェテリアプランの原資を1人年間1万2000円相当引き上げ」と回答している。年間一時金の回答は、日産自動車222万6000円(昨年217万3000円)、トヨタ自動車237万円(同244万円)、本田技研249万2000円(同239万1000円)、日野自動車が135万2400円+7万円(同135万9400円+5万円)、三菱自工91万5000円+α(同91万1000円)、マツダ184万5000円(同182万9000円)、富士重工4.8カ月(同4.5カ月)、スズキ5.7カ月(同5.7カ月)、ダイハツ工業5.7カ月+一律2万5000円(同5.7カ月)、ヤマハ発動機5.9カ月(同5.8カ月)となっている。
賃金については、「35歳技能職基幹労働者」の銘柄で、日立と三菱電機、シャープ、パイオニアが賃金改善額500円、「30歳技術職基幹労働者」の銘柄で、東芝とNEC、松下電器、松下電工、富士電機グループが賃金改善額500円、富士通と富士通ゼネラルが賃金改善額1000円との回答が示された。
年間一時金の回答については、日立が145万150円(前年144万4554円)、三菱電機が146万9000円(同138万4000円)、シャープが166万6530円(同164万4074円)、富士電機グループが142万7074円(同133万1670円)となっている。東芝やNEC、富士通、松下電器、松下電工、パイオニアなどは業績連動方式を採用している。
賃金については、三菱重工、石川島播磨、三井造船、川崎重工、住友重機とも、「労使協議の場において継続協議」と回答している。年間一時金については、三菱重工が48万円+3.5カ月(昨年45万円+3.5カ月)、石川島播磨が24万円+3.5カ月+経営再建協力金3万円(同20万円+3.5カ月)、三井造船が16万5000円+3.5カ月+特別協力金3万円(同18万円+3.5カ月+特別協力金3万円)、住友重機が60万円+3.5カ月(同50万円+3.5カ月)との回答を提示、川崎重工は業績連動方式となっている。