2006年の春季労使交渉は、2月10日の基幹労連傘下の組合、15日の電機連合傘下の組合、自動車総連傘下の労組の要求申し入れを皮切りに、本格的にスタートした。今後は個別労使で交渉を重ね、3月15日の集中回答日以降、各社で回答が示されることになる。各業種の主要企業労組の要求内容は次のとおり。
基幹労連傘下の主要労組は2月10日、会社側に要求を申し入れた。賃金については、各労組とも「2年を1つの単位として3000円」の賃金改善を要求している。
年間賞与・一時金は、鉄鋼部門では、新日鐵、JFEスチール、神戸製鋼所、などが業績連動方式に基づく要求、住友金属工業が240万円を要求。船重部門では、三菱重工業、石川島播磨、三井造船が「50万円+3.5カ月」、住友重機械工業が「60万円+3.5カ月」、川崎重工が業績連動に基づく要求を行っている。非鉄部門では、三菱マテリアルと同和鉱業が業績連動方式に基づく要求、住友金属鉱山が190万円を要求している。
電機連合傘下の主要労組は、2月15〜16日にかけて、会社側に要求を申し入れた。賃金については、各労組(三洋電機除く)が「水準改善額2000円」を掲げているが、日立製作所、三菱電機、シャープ、パイオニアなどは「35歳技能職・基幹労働者(4人世帯)」、東芝、富士電機グループ、NEC、富士通、松下電器などが「30歳技術職・基幹労働者(3人世帯)」の銘柄における要求となっている。
年間賞与・一時金では、東芝、NEC、富士通、松下電器などは業績連動方式に基づく要求、日立製作所は155万5000円(5.2カ月)、三菱電機は149万8000円(5.2カ月)、富士電機グループは154万3234円(5.2カ月)、シャープは171万4144円(5.4カ月)などとなっている。
自動車総連傘下の主要労組は2月15日に要求申し入れを行った。賃金について、主要労組では、日産は7000円、トヨタは7900円(賃金制度維持分含む)、本田技研は賃金引き上げとして1000円、いすゞとマツダ、スズキ、ダイハツ工業は賃金改善分1000円、ヤマハ発動機は賃金改定原資相当分1000円などを要求している一方、富士重工は賃金体系維持、三菱自動車は「賃金改善分は要求なし」となっている。
年間賞与・一時金については、日産は6.4カ月、トヨタは5.0カ月+56万円、マツダは5.7カ月、本田技研は5.0カ月+1.7カ月を要求している。
私鉄総連傘下の各労組は2月9〜24日にかけて、要求を提示した。賃金については、東武や京急、京成、相鉄、近鉄、阪神、南海、西鉄の各労組が、私鉄総連の要求基準である「1人平均2.1%(定昇相当分)+2000円(賃金改善原資(ベア分))を掲げている。また、京王や東京メトロ、阪急、京阪、名鉄は「1人平均2000円(賃金改善原資(ベア分))」、東急は「賃金改善原資(ベア分)として各人基本給の0.6%」、小田急は「定期昇給実施、生活向上分2000円」を要求。
年間賞与・一時金の要求では、東武や京急、京王、京成、東京メトロ、相鉄、京阪、阪神が、「昨年同内容」あるいは「昨年同月数」、「昨年実績維持」、「昨年度の実績と同内容」、「前年月数の維持」を要求しているほか、東急が「5.1カ月+α」、近鉄が5.0カ月、阪急が5.4カ月、南海が5カ月、名鉄が5.0カ月、西鉄は夏季分として2.25カ月を掲げている。
JR各労組は2月10〜17日にかけて要求を申し入れた。JR北海道とJR東日本が純ベア2000円、JR西日本とJR九州がベア2000円、JR四国は7300円(純ベア2000円含む)を要求。年間賞与・一時金では、JR西日本が5.7カ月、JR九州が基準内賃金3.0カ月を要求している。
電力総連傘下の各労組は、2月23日にベア要求を見送っている。賞与・一時金については、各労組とも夏季「2.0カ月+金額(10万1000円〜23万円)」(北陸電力のみ半期)の要求を掲げており、金額部分は北海道電力が19万9000円、東北電力が19万7000円、東京電力が19万9000円、中部電力が10万1000円、北陸電力が15万1000円、関西電力が10万4000円、中国電力が17万1000円、四国電力が23万円、九州電力が11万1000円、沖縄電力が17万3000円となっている。
NTT、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズの各労組は賃金要求を見送り、年間賞与・一時金については「特別手当4.5カ月、一時金5万円」を要求している。