日本経団連タイムス No.2785 (2005年9月29日)

若者の人間力を高めるための国民会議開く

−「国民宣言」採択


フリーターやニートの増加など厳しい状況が続く若者の雇用問題の解決をめざし、経済、労働、教育界などが一体となって取り組む「若者の人間力を高めるための国民会議」(議長=奥田碩日本経団連会長)の第2回会合が15日、都内で開催された。

会議では、「社会に出る前の若者が生きる自信と力をつけ、臆することなくやり直し、再挑戦でき、いきいきと活躍することができる社会を目指す」とした「国民宣言」(別掲)を取りまとめた。同時に各界の自主的な取り組み指針を示した「国民運動推進の基本方針」も決定した。
「宣言」と「基本方針」に基づいて、社会に出る前の若者や子どもに対して、小中高校は職場訪問や仕事体験の機会を増やし、企業はインターンシップなどの職場体験、デュアルシステムなどの職場実習に取り組む。働くことに不安や迷いを持つ若者に対して、学校や地域社会は、学び直すための多様な機会を提供し、企業は人物本位の採用・育成に努め、政府や地域社会は、適切な助言や社会活動、労働体験への参加機会を提供するとしている。

今後、国民会議では、「国民運動ホームページ」を立ち上げ、国民会議のメッセージ、若者支援施策、取り組み事例などを国民各層に積極的に発信する。さらに、シンポジウムや地域イベントを開催し、運動の浸透を図り、シンボルマークを策定・配布することにより、国民運動に協力する団体・企業・個人の拡大に努める。
こうした国民運動の推進状況を見極めた上で、来年5月、次回会合を開催予定。

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若者の人間力を高めるための国民宣言

若者は、無限の可能性を秘めた、かけがえのない存在です。我が国にとって人材こそ社会の礎であり、これからの日本を担う若者が、人間力をみがき、発揮することによって、明るい未来を創り出すことができます。

社会の中で人と交流、協力し、自立した一人の人間として力強く生きるための総合的な力である人間力は、家庭、学校、職場、地域社会といった場を通じ形づくられるものですが、我が国の社会が大きく転換している今、若者を巡る様々な問題が、それぞれの場で生じています。

これらの問題の解決には、若者自らの自覚と努力も求められるところですが、若者が生きる自信を持ち、能力を高め、いきいきと活躍できる社会を目指し、経済界、労働界、教育界、マスメディア、地域社会、政府が一体となって、若者の人間力を高める国民運動を推進することとし、ここに、次のとおり宣言します。

  1. 子どもの頃から人生を考える力やコミュニケーション能力を身につけさせ、働くことの理解を深めさせるなど、社会に出る前の若者が生きる自信と力をつけることができるようにします。

  2. 社会にはばたく若者に広くチャンスを与え、仕事に挑戦し、活躍できるようにします。

  3. 若者が働きながら学ぶことのできる様々な仕組みを用意し、自らを高め続けることができるようにします。

  4. 働くことに不安や迷いを持つ若者が臆することなくやり直し、再挑戦できるようにします。

平成17年9月15日
若者の人間力を高めるための国民会議

【労働政策本部雇用・労務管理担当】
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