日本経団連タイムス No.2785 (2005年9月29日)

ロブレード・メキシコ・ハリスコ州経済推進長官と懇談

−ロブレード長官、日墨EPAの効果に期待


日本経団連は13日、東京・大手町の経団連会館でホセラモン・ロブレード・メキシコ・ハリスコ州経済推進長官との懇談会を開催した。

懇談の中でロブレード長官は、グローバリゼーションが進展する中、日本をはじめとする有力なパートナーと戦略的な協力関係を構築し、貿易や投資、社会、文化などあらゆる面で交流を進めていきたいと述べた。また、ハリスコ州について、メキシコ国内有数の経済規模を誇り、メキシコ中西部にあって地理的にも戦略的に重要な位置を占め、各国とのFTAの恩恵を最も享受する州の1つであると説明。同州としては日本企業と補完的な関係を確立するために、日墨EPAを積極的に活用していくことを強調し、貿易・投資の促進に資する同協定の効果に期待を示した。特に多方面での中小企業の育成について日本企業の協力を要請した。
さらに長官はメキシコの農産品等の対日輸出に言及。メキシコの中でも農業分野でリーダー的な立場にあるハリスコ州は有機栽培の自然食品に強みを持っていると述べ、鶏肉や牛肉、豚肉、サトウキビ、トウモロコシなどの産品を挙げて、日本市場の厳しい要求に応えられる生鮮食品、加工食品を提供することができるとした。その上で、2004年の実績で1億3500万ドルにとどまるハリスコ州からの対日農産品輸出を、一層拡大したいとの期待を示した。

ハリスコ州への外国からの投資については、過去4年間で30億5500万ドルに達しており、新規に投資する企業に特別な税制上のインセンティブを与えていると説明。例えば特定の分野への投資に対して不動産などの税制面で中央政府よりも有利な条件を設定しているほか、投資する際の資金負担を少しでも軽減するために、電力、水などのインフラ分野での直接的な助成制度も設けているとした。
長官はすでに同州に進出して工場を操業するなど経済発展に大きく貢献している日本企業を紹介するとともに、今後は電子や自動車などの高付加価値分野で一層の協力関係を構築したいとして、日本からの投資の拡大に期待感を示した。州都グアダラハラはメキシコのシリコンバレーと呼ばれ、世界的に知られる大手電子企業が進出しており、ハイテク産業を育成し、輸出指向型の産業構造を構築しつつある。これに関しては、将来的に航空事業や工作機械、金型産業、プラスチック産業を発展させたいと発言した。また、メキシコ第2のリゾート地プエルト・バジャルタを擁しており観光開発も有望分野の1つであると力説した。
さらに、米国の港湾はストライキなど物流面での問題を抱えているが、ハリスコ州はこうした問題を解決するために協力する用意があるとし、コリマ州のマンサニージョ港からグアダラハラを結ぶ物流網を整備することによって、製品をスムーズに出荷できるとした。

最後に長官は、メキシコは技術、社会、教育の発展をめざしており、これらに対する日本の協力を必要としていると述べた上で、ハリスコ州では外国からの投資拡大、特に日本とのビジネス交流が一層進展することを期待していると結んだ。

【国際協力本部中南米・中東・アフリカ担当】
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