日本経団連タイムス No.2780 (2005年8月25日)

第8期NCA養成講座、スクーリングを開催

−28名参加、多様な課題に取り組む


日本経団連は第8期NCA(日本経団連キャリア・アドバイザー)養成講座のスクーリングを10〜14日の5日間、東京都内で開催した。スクーリングは座学や、ロールプレイなどの実技、修了認定試験から構成されており、今回は28名が参加、さまざまな課題に熱心に取り組んだ。

NCA養成講座は、時代・業界・企業の流れ・動向を的確に把握し、エンプロイヤビリティを高めるために従業員が適切な能力開発を行い、豊かな職業生活を送れるようにするための助言・支援を行う専門家の育成を目的としている。
キャリア・アドバイスを行うには、専門的な知識を備え、経済・社会の動きを把握しているだけでなく、相談者の不安を取り除き、ともに課題を見つけ、解決への方策を探るというカウンセリング(アドバイス)を実践できる技術も身に付ける必要がある。

受講者は、4カ月の通信教育でキャリア・アドバイザーに求められる基本的知識―時代背景、エンプロイヤビリティの形成と向上、能力開発・人材育成手法、労働関係諸制度、人事労務管理、キャリア・アドバイス実践のための理論など―について学んだ後、実践的な力を磨くために、今回のスクーリングに臨んだ。
4カ月にわたる通信教育の課題すべてで合格基準に達している人だけが、スクーリングへの参加を認められるため、毎回高水準なスクーリングが展開されている。座学では (1)エンプロイヤビリティ向上、自律的キャリア形成のためにキャリア・アドバイザーが果たすべき役割 (2)自己分析 (3)キャリア開発計画策定法――など通信講座の総まとめと理論を実践するために必要な知識、理論などを学び、続いて実例に基づいた実践練習としてロールプレイを行った。ロールプレイは、3人1組になり、相談者役、アドバイザー役などの役を分担し、傾聴、共感などの基本とキャリア・アドバイスの実践という応用能力を体験的に獲得しようというものである。

最初は自分の意見を押し付けたり、相談の核心に至らなかった受講者も、一事例終了ごとに各組を担当する講師からきめ細かい指導を受けたり、他の受講者のアドバイス法を観察したりすることで、相談者と共に考え、論点を整理し、さまざまな選択肢を提示するというキャリア・アドバイスの本質を理解した実践の展開ができるようになった。
受講者からも「ロールプレイがとても参考になった」「自分の強み、弱みを再認識した」「ロールプレイの指摘が貴重な財産」など、キャリア・アドバイス実践力という技術的分野だけではなく、人間力が向上したという感想が寄せられている。

5日間のスクーリング最終日には、修了認定試験を行い、半年にわたる養成講座の全課程が終了した。
合否判定は9月中旬をめどに行われる。合格者でキャリア開発センターに登録した者が、有資格者として今後企業内外で活躍していくことになる。

【出版・研修事業本部研修担当】
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