日本経団連は19日、東京・大手町の経団連会館で理事会を開催し、提言「さらなる行政改革の推進に向けて」(案)<PDF>を承認したほか、報告書「グローバル化が進む非製造業の新たな展開」の概要や、第5回日本コロンビア合同経済委員会の模様、日本経団連のCSRへの取り組みなどを報告した。
なお、理事会の冒頭で、厚生労働省の阿曽沼慎司医薬食品局長が、若年者層を中心に献血者数が近年減少していることから、献血の推進について日本経団連に協力を求めた。
阿曽沼局長は、1991年に800万人を記録した献血者が、献血への関心の低下や献血協力者の高齢化により、03年には560万人に減少するなど長期低落傾向にあり、献血が、いわば構造的な転換期を迎えていると指摘。加えて、今年2月に日本で初めて発症した変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の患者に英国渡航歴のあることが判明したことから、当面、80年〜96年の間に英国に1日でも滞在した者からの献血を中止したため、献血者がさらに減少し、医療に必要な血液の供給に支障をきたす恐れが出てきたと説明した。
さらに、阿曽沼局長は「都市部、特に東京地区では献血者の減少が著しく、このままでは夏ごろには血液の在庫が底をつく可能性もある」と述べた。
その上で、こうした事態を回避するため、厚生労働大臣を本部長とする献血推進本部を発足させ、関係方面に協力を呼びかけている旨を紹介した。
最後に、阿曽沼局長は、献血推進の一環として、経済界に対して、(1)事業所における献血車の受け入れ (2)従業員、株主等への献血の呼びかけ (3)社員が献血を行う際の勤務時間の扱いやボランティア休暇付与などの配慮 (4)社内、社外ホームページを通じた社会貢献活動としての献血普及――などで協力を求めたいと述べた。