日本経団連タイムス No.2750 (2005年1月1日)

財政の持続可能性確保を求め提言

-歳出の合理化などを提起


日本経団連は12月14日の理事会で、「財政の持続可能性確保に関する提言~活力溢れる未来を育むために~」<PDF>を了承し、小泉純一郎総理大臣や谷垣禎一財務大臣はじめ、政府・与党関係方面に建議した。財政制度委員会(櫻井孝頴委員長)がとりまとめた同提言は、中長期的な観点から、財政が安定的に運営される上での課題と改革方策を述べている。同提言の概要は次のとおり。

(1)財政の現状と課題

日本経団連の新ビジョン・シミュレーションの再試算結果<PDF>によると、現在の財政構造のままでは、2025年度に政府債務残高はGDPの5倍に膨らみ、まさにデフォルト(債務不履行)といえる状態に陥ってしまう。
財政の持続可能性を確保するためには、歳出・歳入に加えて、財政の拠って立つ基盤である経済が、安定的釈�蓿繙就�粮㏍芍��轣蛹≒鳫�笏蜿遐�竚癈鷭∂焜聨纃瘟赧漓�籬�㏍聽轣蛹就芦俺換寛蚊感鰍⊂桿轣蛹Γ蔚飴頏阡繝�籟鹿畩を続けることが重要な要素となる。

(2)歳出の合理化(社会保障、国と地方)

今後の最大の歳出圧力である社会保障は、公的保障や公費の対象を極力絞り込み、自助努力に委ねる部分を拡大することが必要である。その一環として、年金のように給付抑制の仕組みがない医療や介護は、給付の伸びを名目成長率の範囲内とするための仕組みを設けるべきである。
国と地方を通じた財政規律の強化も重要な課題であり、まず何よりも、国と地方の役割分担を見直して財政責任を明確にする必要がある。その上で、個人が負担する所得税や固定資産税などを中心とし、所要の税源移譲を行い、交付税制度は大幅に縮小すべきである。
こうした改革を進めながら、まずは地方財政計画の実態との乖離の是正や地方公務員給与の見直しなどに取り組むべきである。

(3)歳入基盤の強化

歳出合理化だけでプライマリーバランスを回復することは現実的ではなく、国民全体で公平に負担できる消費税を基幹税として確立し、歳入基盤を強化すべきである。

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(5)少子化対策の充実、再編

従来の少子化対策は、既存の失業保険や厚生年金を手直しする形で展開されてきたが、出生率は低下の一途を辿っている。そこで、従来の施策の枠組みを大きく転換し、働き方やライフスタイルに中立な仕組みとするとともに、小出しに施策を追加するのではなく、子どもを持つ決断を促すためのインセンティブとして十分な水準の政策支援パッケージを構築すべきである。
財源は、社会保障をはじめとする財政面の資源配分の見直し、所得税や消費税等の歳入強化策によって確保すべきである。具体的には、出産や育児に伴って就労が中断することによる所得減少の補填、育児に伴うコストの軽減、多様な保育サービスの選択肢の提供――を中心に検討を進めるべきである。

【経済本部経済政策担当】
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