日本経団連タイムス No.2749 (2004年12月9日)

カルロス・ゴーン日仏青年交流協会会長が講演

−日仏両国の青年に企業研修の機会を


カルロス・ゴーン日仏青年交流協会会長講演会が11月22日、東京・大手町の経団連会館で開催された。同会合には、日本経団連の会員企業をはじめ、フランス系企業の担当者約90名が参加し、日仏青年交流協会(AFJEJ)の会長を務めるカルロス・ゴーン氏の講演や同協会の概要、活動についての報告を聴取した。
同協会では、日本とフランスの民間企業が相手国の深い知識を擁する人材を育成し、両国間ビジネスの橋渡し役となる人材の活用を一層推進するため、日本人の学生とフランス人学生に、相手国の民間企業での研修機会を提供する取り組みを行っている。また今年、企業と学生の出会いの場をインターネットサイト上に創設するプロジェクトがスタートした。

ゴーン同協会会長は、「企業の発展における人的要因、若さと異文化」と題する講演の中で、インターンシップこそ、学生と企業に多くの価値をもたらす重要な機会であると述べた。なかでも、企業が海外からインターンを受け入れることで、企業内に異文化に基づく価値観が生まれることは、「グローバルなビジネス環境において今後ますます重要性を増すはず」と指摘した。受け入れの具体的メリットとしては、(1)社員の語学力の向上 (2)異文化交流 (3)価値観の変化がもたらす発想の転換 (4)多文化と多様性の醸成――などを挙げるとともに、それらは「企業の健全性や競争力、業績向上に寄与するものとなる」との考えを示した。また、日産自動車が、フランス人学生を受け入れた例に触れ、「文化の異なる者が同じ職場で仕事をすることは、企業が成長するうえで大きな役割を果たした」と語った。さらにゴーン会長は、日本とフランスの学生・企業に対して、同協会がそれらを結びつける貴重な機会を提供することができると述べた上で、同協会の活動趣旨に対する理解と活動への参画を呼びかけた。

その後、日本とフランスの学生・企業をインターネット上でマッチングさせるシステムについてデモンストレーションが行われた。在日フランス大使館関係者は、詳細な設問の設定により、Webサイト上で詳しい条件検索ができるため、企業・学生双方にとって便利なことに加え、ミスマッチも少なくなるだろうと述べた。また、企業関係者を代表して、トヨタ自動車、ヴァレオジャパン、ソシエテ・ジェネラル証券の3社の関係者が、日仏学生の受け入れ実績の紹介を行った。

最後にあいさつしたド・モンフェラン駐日フランス大使は、経済における日仏の関係が近年飛躍的に拡がりを見せ、両国の多くの企業がめざましい勢いで相手国に進出している現況に鑑み、「互いの文化、知識をよく知る若い優秀な人材が多数必要である」と締めくくった。

AFJEJの詳細については、在日フランス商工会議所内AFJEJ担当(電話03―3288―9635、URL=http://www.afjej.org/)まで。

【国際経済本部欧州担当】
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