厚生労働省の労働政策審議会(会長=西川俊作・慶應義塾大学名誉教授)が8月24日に開催され、厚生労働省から、(1)経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004 (2)2005(平成17)年度労働政策の重点事項――などについて報告が行われた。
今回報告のあった2005年度労働政策の重点事項は、「基本方針2004」が掲げる「人間力の抜本強化」を受けて、若年者の雇用対策に重点を置いている。若年人間力強化のプロジェクトの推進として、(1)国民運動の推進 (2)フリーター・無業者に対する働く意欲の涵養・向上 (3)学生生徒に対する職業意識形成支援と就職支援の強化――などを盛り込んでいるほか、若者自立・挑戦プランの推進も改めて提起している。
こうした重点事項に対し、日本経団連などが推薦した使用者側委員は、若年者の失業者問題は一律に取り扱うべきではなく、ケースごとに仔細に分析して個別に対応すべきであることを指摘するとともに、「まずは、仕事への意欲を持った若者に重点を置いて取り組むべきである」と主張した。
また、実際に、企業が小中学校と連携して、職業教育や職業意識の涵養に取り組もうと企画しても、学校側から断られるケースがあることなど、地方の現場における問題点を紹介した上で、政策と現実のかい離を埋める努力をする必要があることを指摘した。
一方、労働側委員からは、2004年度で期限切れとなる「緊急地域雇用創出特別交付金事業」について、「非常に効果的であると聞いており、今後もその点を考慮して十分な対応をしてほしい」との意見が出されるなど、地域の雇用創造に関連する要請があった。