日本・インドネシア経済委員会(岡村正委員長)では7月29日、東京・大手町の経団連会館で2004年度総会を開催し、2003年度事業報告・収支決算、役員改選、2004年度事業計画・収支予算を原案通り承認した。総会ではこのほか、議案審議に先立ち、外務省アジア大洋州局の西宮伸一審議官から、「インドネシア大統領選挙の情勢と選挙後の政策運営」と題しての説明を聴取した。西宮審議官の発言概要は次のとおり。
メガワティ政権は、テロに対する適切な対応とともに、昨年末のIMFプログラムからの卒業や新制度の下での総選挙・大統領選挙の円滑な実施など、各種改革を着実に進めている。人口増加に伴う新規求職者を吸収するに足る経済成長を達成できていないなど、雇用創出面では課題が残るが、政策運営全体としては評価できる。
9月の大統領選挙の決選投票において、メガワティ現大統領とスシロ前調整大臣のどちらが新大統領に選出されるかは予測が困難である。しかし、両候補の政策面に大きな違いはなく、どちらが大統領になったとしても日本との関係には大きな影響を与えることはないと思われる。
インドネシアは、アセアンのリーダーであり、世界最大のイスラム教人口と豊富な資源を有していることに加え、シーレーン防衛の要衝に位置することなどから、わが国はその関係を極めて重視している。選挙結果にかかわらず、引き続き、インドネシアの民主化ならびに政治・経済面の改革努力を支援していきたい。
経済関係については、日系進出企業からなるジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC)がインドネシア政府に直接、投資環境の具体的な改善を働きかけている。わが国政府は、この取り組みへの支援を、インドネシアとの経済外交面での最重要課題と認識している。
また、両国間の経済連携協定(EPA)については、予備協議が2回開催されているとともに、日本とアセアン間の協議も進められている。
今後の進め方については、インドネシア側の意向も踏まえ、検討していきたい。